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成長戦略の矢を曲げる、霞ヶ関の「ペンの力」

星岳雄スタンフォード大学教授と考える「アベノミクス」その3

2013年6月27日(木)

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 日経ビジネス別冊「新しい経済の教科書2013~2014」連動の今回のシリーズ。前回に引き続き、星岳雄スタンフォード大学教授との対談をお送りします。

(前回から読む

池上:さて、これまでアベノミクス3本の矢のうちの2本、金融緩和と財政出動に関して星さん(星岳雄スタンフォード大学教授)にお話を伺ってきました。今回は最後の矢、成長戦略の促進についてです。

星 岳雄(ほし・たけお)
米スタンフォード大学教授。1983年東京大学教養学部卒、米マサチューセッツ工科大学経済学博士(Ph.D.)。米カリフォルニア大学サンディエゴ校教授などを経て現職。近著に『何が日本の経済成長を止めたのか―再生への処方箋』(日本経済新聞出版社)がある。(写真:LIVE ONE 菅野勝男、以下同)

:三本の矢のうち、最も重要なのはこれでしょう。

 白川前日銀総裁は「金融緩和ではデフレは解消できない」と言っていました。私はこれには反対で、金融緩和でデフレは解消できると思っています。

 しかし、金融緩和だけで経済成長率を元通りにできるかというと、これは疑問です。金融緩和に加えて、財政再建を正しく進めたとしても、潜在成長率が、2~3%へと戻ることはないでしょう。

池上:それはなぜですか。

:まず、日本は、マクロのレベルで見ると、デフレではありますが、デフレスパイラルには陥っていませんね。

緩和でなく「撤廃」を

池上 彰(いけがみ・あきら)
ジャーナリスト。1950年生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業後、NHK入局。社会部記者として経験を積んだ後、報道局記者主幹に。94年4月から11年間「週刊こどもニュース」のお父さん役として、様々なニュースを解説して人気に。2005年3月NHKを退局、フリージャーナリストとして、テレビ、新聞、雑誌、書籍など幅広いメディアで活躍中。2012年4月より、東京工業大学リベラルアーツセンター教授として東工大生に「教養」を教える。主な著書に『伝える力』(PHPビジネス新書)、『知らないと恥をかく世界の大問題』(角川SSC新書)、『そうだったのか! 現代史』(集英社)など多数。

池上:デフレの要因は、需要が減少したか、供給が過剰になったかですよね。日本の場合はどちらなのかという議論がありました。

:ええ。そこなのですが、デフレスパイラルというのは、供給側には問題がないのに、需要が減り続けるときに起こると考えられます。

 日本は、デフレだけれどもデフレスパイラルには陥らなかった。需要が低迷すると同時に、潜在的供給量も減少していたからです。

池上:つまり、潜在的成長率が落ちていたから、デフレスパイラルにはならなかったと。

:ええ。そうです。

池上:需要が減るのと同時に、供給も減っていたわけですね。すると、仮にアベノミクスが成功して、需要が増えるとどうなるでしょう。

:供給が追いつきません。その結果、インフレにはなっても、成長率は伸びません。

池上:ということは、デフレから脱却し、かつ、経済を成長させるには、何が必要でしょうか。

コメント8件コメント/レビュー

「需要と供給、両方を増やす必要がある」と言っても製造業に於いては供給拠点の多くを海外に移転してしまったので、今更国内回帰は直ぐには実現出来ない。海外工場の償却が終わってからという事にならざるを得ないだろう。従って、成長戦略に重要な事は海外移転が行われていない業界を伸ばすか、全く新たな産業を興すしか無い。安倍政権がTPPの交渉参加を決めた時に、それは同時に「規制撤廃」を決意したのかと思ったが、その後の動きを見ていると、従来の「規制緩和」という中途半端な対応での逃げ切りを目論んでいる様だ。これでは日本の産業改革は実現し無いのではないかと思わざるを得ない。戦後の変革では日本は常に「外圧」を利用して来た。今回も同じ手を使っている事で、限界に来ている「玉虫色の解決」が役に立たない事を何故理解出来ないのか。農業の抜本改革も一旦日本農業を破綻させる位の覚悟が無いと実現する事は出来ない。その様な改革の実行よりも次の選挙での支持獲得が優先してしまう、情けない国情は数十年変わる事が無い。橋下維新は改革を実行しそうな雰囲気は持っているが、それ以外に柱としている政策に難が多過ぎる。民主的な政権で、「断固改革実行」出来る政党は表れないのだろうか、それともその2つの要素は相反するという事なのか?(2013/06/27)

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「成長戦略の矢を曲げる、霞ヶ関の「ペンの力」」の著者

池上 彰

池上 彰(いけがみ・あきら)

ジャーナリスト

1950年生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業後、NHK入局。報道局主幹を経て、2005年3月よりフリージャーナリストとして活躍中。2012年4月から東京工業大学で東工大生に「教養」を教えている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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「需要と供給、両方を増やす必要がある」と言っても製造業に於いては供給拠点の多くを海外に移転してしまったので、今更国内回帰は直ぐには実現出来ない。海外工場の償却が終わってからという事にならざるを得ないだろう。従って、成長戦略に重要な事は海外移転が行われていない業界を伸ばすか、全く新たな産業を興すしか無い。安倍政権がTPPの交渉参加を決めた時に、それは同時に「規制撤廃」を決意したのかと思ったが、その後の動きを見ていると、従来の「規制緩和」という中途半端な対応での逃げ切りを目論んでいる様だ。これでは日本の産業改革は実現し無いのではないかと思わざるを得ない。戦後の変革では日本は常に「外圧」を利用して来た。今回も同じ手を使っている事で、限界に来ている「玉虫色の解決」が役に立たない事を何故理解出来ないのか。農業の抜本改革も一旦日本農業を破綻させる位の覚悟が無いと実現する事は出来ない。その様な改革の実行よりも次の選挙での支持獲得が優先してしまう、情けない国情は数十年変わる事が無い。橋下維新は改革を実行しそうな雰囲気は持っているが、それ以外に柱としている政策に難が多過ぎる。民主的な政権で、「断固改革実行」出来る政党は表れないのだろうか、それともその2つの要素は相反するという事なのか?(2013/06/27)

個人の視点から新ビジネス創造の障害を見ると、?創業資金を借りるときの個人保証。?解雇規制があまりに厳しいから企業が無難な人材を求め、起業経験者を採用したがらない。の2点だと思います。既存企業による異業種参入促進の為の規制緩和に加え、これらの障害を取り除く事も重要だと思います。(2013/06/27)

> 一般国民は手の施しようがないのでしょうか。 1789年7月14日のパリや、1905年9月の日比谷と同じような手段をとればよろしいのでは? >焼き討ち(2013/06/27)

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