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TPPは「競争すること」にこそ意味がある

星岳雄スタンフォード大学教授と考える「TPP」

2013年7月4日(木)

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 日経ビジネス別冊「新しい経済の教科書2013~2014」連動の今回のシリーズ。前回に引き続き、星岳雄スタンフォード大学教授との対談をお送りします。

(前回から読む

池上:TPPを巡る議論には、「すべてまとめて賛成」か「反対」かと問うような、ずいぶんと乱暴なものもありますね。本来なら、個別に見て判断すべきだと思いますが。星さん(星岳雄・スタンフォード大学教授)は、どうお考えですか。

星 岳雄(ほし・たけお)
米スタンフォード大学教授。1983年東京大学教養学部卒、米マサチューセッツ工科大学経済学博士(Ph.D.)。米カリフォルニア大学サンディエゴ校教授などを経て現職。近著に『何が日本の経済成長を止めたのか―再生への処方箋』(日本経済新聞出版社)がある。(写真:LIVE ONE 菅野勝男、以下同)

:そもそも、交渉に参加することに反対する人がいるのも謎です。まずは参加して、優れた条約にしていくのが、大国としての日本の役割であるはずです。

池上:それに、議論に途中から参加するということは、すでにある程度話が決まったところへ入っていくということですから、自国にとって不利になりますよね。実は日本はこれを繰り返しています。GATTのウルグアイラウンドもそうでした。

:残念ながら、また繰り返しになる可能性はありますね。ただ、遅れての参加であっても、参加しないよりはましです。

池上:「より悪くない選択」という考え方ですね。日本は、TPPではどのようなことを進めていくべきですか。

TPPは「競争の場」ができることに意味がある

:TPPというのは、貿易自由化のためのフレームワークです。これができることで、消費者が得をするのは明らかです。いろいろなものが安く買えるわけですから。

 日本はすでに、自由貿易協定(FTA)というフレームワークは持っていますが、これは日本の貿易量の24%しかカバーしていません。というのは、ここにアメリカや中国が入っていないからです。TPPは、経済連携協定(EPA)の一種ですが、これによってアメリカとの間で協定を結べます。これは一歩前進ですし、この交渉を経験することで、次に中国と交渉をするときの力を身につけることも期待できます。

池上:トレーニングになるわけですね。

:そしてさらに重要なのは、日本企業にとって競争の場が増えることです。日本の輸出企業は海外の企業と海外の市場で競争することで、生産性を上げてきました。これは、競争があった結果です。

池上:その競争原理を農業にも、ということですか。

:そうです。農業の自由化はTPPで始まるわけではありません。80年代に、部分的に自由化されています。

池上:牛肉・オレンジですね。アメリカの経済が悪化した矛先が日本に向いて起こった日米経済摩擦の一端です。

:あの後、いったい日本の酪農家、みかん農家はどうなったでしょうか。

コメント9件コメント/レビュー

日本のTPP参加は米国のご機嫌取りにするのであって、日本の為ではない。これ基本。参加の経緯を知るべき。(2013/07/05)

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「TPPは「競争すること」にこそ意味がある」の著者

池上 彰

池上 彰(いけがみ・あきら)

ジャーナリスト

1950年生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業後、NHK入局。報道局主幹を経て、2005年3月よりフリージャーナリストとして活躍中。2012年4月から東京工業大学で東工大生に「教養」を教えている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

日本のTPP参加は米国のご機嫌取りにするのであって、日本の為ではない。これ基本。参加の経緯を知るべき。(2013/07/05)

日本の問題は供給過多によるデフレなので、競争力を上げることはさらなる供給を増やすことにデフレが加速する。したがってTPPは参加してはならない。交渉の機会が実質1回しかないことも書いていないこの記事は評価に値しない。(2013/07/04)

資本力や食糧自給率が低い国にとって、不利な不平等条約として条約が締結される場合、その競争に置ける協議が果たして平等たりえるのでしょうか。すでに国家間協議での競争に負けておきながら、その先にある個人間競争をフェアな競争と騙ることに問題はないのでしょうか。学問は相手を人として見る必要はありませんが、組織を動かしているのは他ならぬ人で有る以上、その分離は厳密に可能でしょうか。競争が起こる以上、ルールに則るべきですが、そのルールが非常に偏ったものである場合、あるいは平等でない場合でも、その競争に意味はありますか?疑問が多いですが考えさせられるインタビューでした。(2013/07/04)

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