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「日本」とシンクロし、再誕する歌舞伎座

養老孟司×隈研吾対談:生まれ変わった歌舞伎座を見に行こう(5)

2013年6月20日(木)

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現代の建築物は「おカネ」の話と離れられない。逆に言えば新しい建築が生まれる場所には、新しいビジネスのチャンスがあり、次の時代を読む手がかりがある。隈研吾氏と養老さんの対談、歌舞伎座編の最終回です。

(前回から読む

養老:隈さんの近刊の『建築家、走る』(新潮社)を面白く拝読しましたよ。「建築家が求められる場所が世界経済の最先端である」ということを語っておられて。

建築を語りながら、「日経ビジネス」的な話も満載な本です。

養老:最近活況のミャンマーから早速、ホテル建設の話が来たとか、韓国のデベロッパーの躍進とか、臨場感がありました。あれ、投資家はみんな読むべきじゃないかな。

:それは、「お金を持った人間の欲望が、最初に何に向かうか」ということなんです。お金儲けのうまい人は、次にお金を使おうとするときに、単なる浪費じゃなくて、さらに儲けようとするでしょう。建築というものは、作るときも楽しいけれど、作った後に、さらに利益を生み出すものだと、世界の投資家連中に過剰に期待させるところがあります。

養老 孟司(ようろう・たけし)氏
解剖学者/作家/昆虫研究家。1937年生まれ。62年東京大学医学部卒業後、解剖学教室へ。95年東京大学医学部教授を退官し、その後北里大学教授に。東京大学名誉教授。著書に『からだの見方』(筑摩書房、サントリー学芸賞)『唯脳論』(青土社)『人間科学』(筑摩書房)『バカの壁』(新潮社、毎日出版文化賞)『死の壁』(新潮社)など、専門の解剖学、科学哲学から社会時評、文芸時評までを手掛ける。

隈 研吾(くま・けんご)氏
建築家。東京大学教授。1954年生まれ。1979年に東京大学工学部建築学科大学院を修了。米コロンビア大学客員研究員を経て、隈研吾建築都市設計事務所主宰。97年に日本建築学会賞を受賞(宮城県登米町伝統芸能伝承館「森舞台」)。99年慶応義塾大学環境情報学部特別招聘教授。2001年同大理工学部教授に就任。2009年から東京大学教授。主な著書に『負ける建築』(岩波書店)、『つなぐ建築』(同)、今シリーズのまとめ役、清野由美との共著『新・都市論TOKYO』『新・ムラ論TOKYO』(集英社新書)がある
撮影:鈴木愛子(以下特記なきものはすべて)撮影:鈴木愛子(以下特記なきものはすべて)

「四角い時代」の終焉で隈研吾に注文が増え始めた

養老:世界中のクライアントが、隈さんにお願いするという背景には、どんなことがあるんでしょうかね。

:僕自身、もともと都市というより田舎が好きで、学生時代にサハラ砂漠の集落調査をするぐらいでした。そういう周縁的なものに惹かれるタイプで、要するに、モダニズム以前のものが好きだったんですね。

養老:四角じゃないものが好きだって、前回も言っておられましたね。

:ええ。ですから僕が仕事を頼まれている裏には、大きく言って、今、世界で「四角い時代」が終わろうとしている動きがあるんじゃないかなと思っています。

「四角い時代」とは、モダニズムのことですか。

:そうですね。前世紀を規定した工業化社会、均一化の社会は終わろうとしているでしょう。

養老:ピラミッドやニューヨークの摩天楼じゃないけど、屋根がとんがる時代が、また来ますかね。

:中国の北京とか上海とか、あるいはもっと発展途上のミャンマーとか、勢いのある場所のクライアントはみんな、建物をとんがらせたいと志向していますよ。

養老:ラオスのヴィエンチャンにある「タート・ルアン」という建物は、昔からとんがっているものね。

それは寺院ですか。

養老:そう。寺院で、日本で言うと5階建てぐらいの建物だけど、天井がスカイツリーみたいにとんがっているの。メコン川の脇にべちゃっと広がった街では、めちゃめちゃ目立ちますよ。で、その前にはフランスの凱旋門の模倣みたいなものがあるんだけどね(笑)。

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「「日本」とシンクロし、再誕する歌舞伎座」の著者

清野 由美

清野 由美(きよの・ゆみ)

ジャーナリスト

1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。2017年、慶應義塾大学SDM研究科修士課程修了。英ケンブリッジ大学客員研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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