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うさんくさくない「教養論」のあり方とは

現代のリーダーに求められる「善」

2013年6月10日(月)

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 前回に引き続き、「教養」の話をしたい。

 「教養」については、2種類の「うさんくささ」がつきまとう。

 まず、果てしなく知識を蓄積し、時によってはそれをひけらかす「ペダンチズム」のうさんくささ。前回のコラムでは、「教養の身につけ方」ではなく「教養の生かし方」に焦点を当てた。そしてリーダーにとって大事なのは、知識だけでなくそれを用いて結果を出す「実践知」だということを述べ、この種のうさんくささに堕しない「リーダーに求められる教養」ということを語ったつもりだ。

 今回は、「教養」論についてまわる「価値観の押しつけ」の懸念とその「うさんくささ」に触れて、その払拭を試みてみたい。

「より良く生きる」の意味は?

 少しだけ、おさらいをさせていただくと、前回のコラムでは、教養の目的として、
(1)より良い判断・行動をする
(2)より良く生きる
(3)共通知を身につける
という3つを挙げ、1つ目の「より良い判断・行動をする」という点について述べてみた。要点は以下のようなことだ。

・刻々と変化する状況の中で、リーダーは、複眼・総合的な判断をタイムリーに行っていかなければならない。

・これには、野中郁次郎氏の言うところの「賢慮(フロネシス)」というリーダーシップ要件が求められる。

・賢慮のリーダーシップとは、単なる知識だけでなく、実践知。本質を見抜き、社会・組織のメンバーに伝え、彼らを動かし、結果を出すということ。

・これを身につけるには、「狭い専門分野にとどまらない知識」と「意思決定とその実践の経験」が必要。すなわち、広義の教養を身につけることと、ほぼ同義である。

 さて、今回のテーマである教養の2つ目の目的、「より良く生きる」とは、どういう意味だろうか。

 もともとは、教養を身につけたいと願う理由の最大のものは、書籍・師・経験から学び、自らを磨くことで、より良い人生を送りたいという個々人の希求だったろう。

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「うさんくさくない「教養論」のあり方とは」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCG シニア・アドバイザー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経てボストン コンサルティング グループ(BCG)に入社。BCG日本代表、グローバル経営会議メンバー等を歴任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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