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「ニッポンは“使えない人”だらけ?」 過熱するグローバル人材狂想曲

「英語ができない」と言い訳にして見過ごす真に必要なもの

2013年6月11日(火)

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 「スーパー・グローバル・ハイスクール」なるものが、できるらしい。かなり乱暴に直訳すると、「超世界的高校」ってことになるのだろうか?

 かっこわる……。いやいや、申し訳ない。だが、見た途端にそう思ってしまったのだから仕方がない。

 スーパー・グローバル・ハイスクール構想を打ち出したのは、政府の「教育再生実行会議」(座長・鎌田薫早稲田大総長)。

 「徹底した国際化を断行し、世界に伍(ご)して競う大学の教育環境をつくる」ことを目指し、外国語教育に熱心な高校を「スーパー・グローバル・ハイスクール」(仮称)に指定。小学校での英語の導入などを提案し、世界で活躍できる人材の輩出を目指して「今後10 年で世界大学トップ100に10校以上」との目標も定めた。

 提言書によれば、「スーパー・グローバル・ハイスクール」とは、
(1)英語教育を重視したカリキュラムを実施している
(2)英語を母国語とする教員を採用している
(3)海外留学に実績がある
などの条件を見たしている高校で、政府が財政的に支援することが検討されるのだという。

流行語と化したグローバル人材

 右を見ても、左を見ても、グローバル、グローバル。
 「グローバル人材の育成が欠かせない!」
 「グローバル人材を輩出する教育を徹底せよ!」
 「我が社では、グローバル人材を求めています!」
などなど。

 グローバル人材なる言葉は、今や流行語だ。

 ちょうと今から1 年半ほど前、「グローバル人材」についてコラムを書いた(関連記事:“グローバル人材”を渇望する企業の見当違い)。

 当時、この言葉を使うのは主に企業の経営者だった。かなり乱暴にまとめると、(1)英語が話せなければ仕事にならない(2)ライバルは国内だけでなく、中国、韓国など世界中にいると思え!(3)日本でしか通用しないような人は、もう要らない──の3つが、多くの大企業の経営者や人事部の採用担当の方々が、「グローバルな人材」について述べているコメントだった。

 で、今。「グローバル人材」という言葉が、会社から大学、大学から高校、さらには小学校へと波及している。

コメント107件コメント/レビュー

日本人に欠けているのがAutonomyという指摘は正鵠を射ていますが、実はこれが日本人の英語下手の最大の理由なのでは?Autonomyに必要な資質は「言葉のみで他者とコミュニケーションする能力」であり、これは日本人が過剰に求める「以心伝心」「空気を読む」と完全に相反します。つまり、両者は両立しないのです。「スーパーグローバルハイスクール」は「空気を読むことを禁止」「言語のみによるコミュニケーションを徹底」という日本の学校では不可能な教育を実践する「租界」という意味では必要かもしれません。(2013/06/19)

「河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学」のバックナンバー

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「「ニッポンは“使えない人”だらけ?」 過熱するグローバル人材狂想曲」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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日本人に欠けているのがAutonomyという指摘は正鵠を射ていますが、実はこれが日本人の英語下手の最大の理由なのでは?Autonomyに必要な資質は「言葉のみで他者とコミュニケーションする能力」であり、これは日本人が過剰に求める「以心伝心」「空気を読む」と完全に相反します。つまり、両者は両立しないのです。「スーパーグローバルハイスクール」は「空気を読むことを禁止」「言語のみによるコミュニケーションを徹底」という日本の学校では不可能な教育を実践する「租界」という意味では必要かもしれません。(2013/06/19)

英語、英語と過熱しているのは、現在においては英語が国際共通語であり、それができないことにはビジネス交渉などにおいて話にならない(文字通り)だからでしょう。日本では、第一線で英語を駆使して交渉をとりつけなければならない会社員、あるいは海外に子会社を設立するような会社の役員たちの英語理解力があまりにも低過ぎる。下手な英語でも中味があれば聞いてくれる、というのは日本人特有の甘えです。グローバル化の名の下に、海外からの人材、または海外での就学/勤務経験者を採用する、とも聞きますが、はたして今の日本の会社でそれらの人材を使いこなせるかというと疑問です。スーパー・グローバル・スクールという、英語をネイティブ言語とする人たちが聞けばちょっと意味不明な名称をもつ機関を設立するだけではなく、政府は同時に日本企業の人事制度などの改革を促すことをしないと、グローバル人材の育成だけにやっきになっても無駄です、宝の持ち腐れになる。また、小学生なども5、6年生にもなれば日本語でどんどん自分の意見を打ち出して討論できるような個の力を養わない限り、英語だけ勉強してもこれまた無駄です。真に問うべきは、日本の教育に個の確立を養う土壌が培われているか? ではないでしょうか。(2013/06/19)

カナダの公立高校で教師をしています。クラスでビデオなどを見た後、「感想は?」と聞くとみんな手を上げて思ったことを口にします。教師も、それはおもしろい見方だ、とかよく気がついたね、とか何を言われても受け止めて、自分の意見を発表するのが安全な(恥ずかしい思いをすることはない)環境のクラスを心がけます。たぶん日本では黙っているほうが安全、手を上げるなんてダサい、ということで誰も何も言わないのではないでしょうか。私自身も日本で出る杭は打たれる式の教育を受けたので、北米に来て「自分の意見」をすぐ求められるのに面食らいました。コミュニケーションに語彙力などが必要なのはもちろんですが、それに加えて、教師や教科書を鵜呑みにするのではなく、自分で考え、自分の意見をもつこと、それを奨励するような教育環境を作ることが大切なのではないでしょうか。(2013/06/18)

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