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規制緩和が変えてしまった日本型資本主義

規制緩和の英国はどうなった?日本は?

  • 吉田 耕作

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2013年6月27日(木)

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 4月19日の朝日新聞で「諮問会議,過度な規制緩和にNO」という記事が報道された。これは、行き過ぎた規制緩和を批判しているベンチャーキャピタルのデフタ・パートナーズグループの原丈人会長の意見を聞き、原氏の助言で「日本型資本主義」を考える専門調査会を政府の経済財政諮問会議につくることにしたと伝えている。

 第二次世界大戦後の日本は景気の波はあったにしろ、長期にわたって経済成長を遂げてきた。ボーゲル教授の「Japan as Number One」という本が示すように、1970年後半から80年代には、日本の経済運営が世界のお手本として見なされ、一部には日本はもうアメリカから学ぶものはないと豪語するグループもあったといわれる。しかし89年から91年に掛けて、バブルがはじけると、途端に自信を失った日本人は、新しい米国流の考え方を次から次へと取り入れていった。米国流考え方とは、つまり規制緩和や成果主義やリストラ等の競争概念に基づいたものであった。

そもそもバブルがはじけたのは?

 そもそも、バブルがはじけたのも、欧米の支配的な銀行が、日本に対して攻撃を仕掛けた結果だという人たちも少なからずいる。その説によるとこうだ。80年代に世界の銀行を総資産額でランク付けしたフォーチュン誌のランクによると、上位10行は全部日本の銀行であった。日本の銀行は高度経済成長を背景として、レベレッヂを効かせ、高い預貸率を維持し、急激に成長していた。それに歯止めをかけるべく、欧米の金融機関がBIS規制を強化し、預貸率の上限を制限してきた。日本の銀行は預貸率を急激に引き下げざるを得ず、強引な貸しはがしに走った。その結果、資金が市場に行きわたらず、貸し渋り現象が起き、そしてバブルがはじけた、と。

 競争状態を創出さえすれば、経済が活性化されるとして、規制緩和の導入に当たって大きな役割をした人たちがいた。米国のコンサルタントたちはもちろんのこと、留学生や研究員として米国に比較的短い期間滞在し、米国の社会の良い面、素晴らしい面だけを見て、米国の社会経済制度すべてに妄信的と言われるほどの信頼感とあこがれを持って帰国し、その教義を広めようとした人たちであった。

規制緩和

 30年代のケインズ流の考え方によって、米国および英国は政府が景気の調整に主導的な役割を演じてきたため、大きな政府が形成されてきた。しかし、政府が大きくなるに連れて非効率な政府になっていった。そこで、有効需要を増加させるために、財政支出や社会福祉面での支出が増え、財政赤字が累積していった。これに対して、民間にできる事は民間にまかせる「小さい政府」を唱えたのはフリードマン一派であった。

 この考え方では、民間が民間の発意で自由に行動ができるように規制緩和をしていくのが政府の仕事であり、企業が自由競争の原理に基づいて行動する事ができれば、政府はできるだけ小さくする事ができるとした。この考え方に基づいて、減税や大規模な規制緩和等の政策をとったのは、80年代の米国のリーガン政権であり、イギリスのサッチャー政権であった。この規制緩和の波は世界的な潮流となり、国際化の波とともに、日本に押し寄せてきた。

 日本の中曽根政権をはじめとして、ほとんどの自民党政権の指導者たちはこの政策を踏襲した。なかでも、小泉政権は規制緩和を強力に推し進めた。

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