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「役員は報酬1億、万年ヒラは解雇?」 日本企業の歪んだ評価

終身雇用と年功序列は本当に“悪習”なのか?

2013年7月2日(火)

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 何だかホッとした。話を聞いていて、心がなぜか温まった。こんなふうに部下のことで苦悩している方に会ったのは、何年ぶりだろうか。

 年功序列――。今では終身雇用とセットで、「ニッポンの悪習」とまで言われるこの制度について、今回は考えてみようと思う。

 「私は今から36歳のときに課長になりました。最初の部下は5人。年上もいました。やっぱり苦労しましたよ。人を動かすってホントに難しいと思いましたし、何を言ってものれんに腕押しで、『なんで動いてくれない』とか、『意識が低い』とか、憤りを超えて恨みを感じるようなこともありました。でも、それ以上に初めて人を評価する、というポジションになったことが、結構ストレスでしたね」

 「で、今。当時、私が評価しなかった人たちって、実は会社が用意した評価基準に当てはまらなかっただけだったんじゃないかって、思うようになった。結果を出しにくいポジションもある。つまり、会社に必要な人たちなんじゃないかと。彼らがいるおかげで、回っている仕事って結構ある。多くは40以上の昇進もできていない、マンネンヒラの社員たちです」

 「今の部下の中にも、やはりどうしても評価基準に当てはめると、難しい人たちがいます。残念ながら、彼らの良いところを評価する項目がない。しかも悩ましいのが、例えば彼らをどうにかして、評価するとしましょう。すると、役職が上がるなどして、仕事内容が変わるわけです。そうなると、彼らはますます厳しい状況に置かれてしまうんじゃないかという危惧もあります。彼らは今のポジションでの仕事には合っているけど、役職が上がって仕事内容が変わると、うまくこなせなくなるんじゃないかって」

 「以前、部下に次々と抜かれて、マンネンヒラだった方が、役職が上がったことがありました。上司が心ある方で、彼を昇進させたんです。昇進すれば賃金も上がるので、良かったなと私も思いました。ところが、彼は昇進したポジションで求められる仕事をうまくこなせなかった。で、結局、いち早く早期退職者のリストに載ってしまったんです」

会社の評価基準に従うと評価できないことに苦悩

 話をしてくれた男性は、現在、44歳。課長になったときは、会社がそれまでの年功序列をやめて、成果主義に移行したときだったそうだ。

 それでも最初の頃は、成果主義と言いながらも、ある程度の年齢になると役職だけは上がり、賃金も上がっていた。だが、3年前からそういった制度もなくなり、目に見える成果を出さない限り、賃金は上がらない。それどころか減らされてしまうこともある。

 上司としては、どうにかしてあげたいという気持ちを持ちながらも、どうすることもできない自分に歯がゆさを感じていたのである。

コメント74件コメント/レビュー

「置き換え可能な労働力」かどうかではないでしょうか。役に立っていても、代わりがいれば、価値はでません。残念ながら…(2013/07/10)

「河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学」のバックナンバー

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「「役員は報酬1億、万年ヒラは解雇?」 日本企業の歪んだ評価」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「置き換え可能な労働力」かどうかではないでしょうか。役に立っていても、代わりがいれば、価値はでません。残念ながら…(2013/07/10)

指揮官は常に部下の命を預かる存在であり、その部下が生きるも死ぬも指揮官次第だと思う。1000人の大軍を相手に、100人の兵で正面からつっこませるような指揮官だったら、そんな指揮官に1億も払っていいのか?と思う。いくら指揮官が温厚ないい人であっても、自分が死んだらやっぱり困る。指揮官はやはり優秀であるべきで、その優秀さは自身の優秀さであってもいいし、周りの人の力を引き出す天才でもいいと思うが、無能であっては困ると思う。じゃ、いま日本において指揮官のポジションにある人たちがちゃんと磨かれているかというと、少し疑問がある。いまの普通の日本企業ではどんなにへまをしても、降格や一時的な左遷くらいで、おそらくクビにならないのではないか?一度、おいしいポジションについたら、大きなリスクを取らず、小さな改善をちょこちょこやる人の方が最終的に出世する。でも、そんな指揮官で本当に世界に勝てるのか?ジョブズに勝てるのか?いまの日本が要素技術で勝って、ビジネスで負けるというパターンを繰り返しているのは、本物の指揮官が不在だからなのだと思う。ゼロ戦があっても、特攻をいとわない勇敢な兵隊がいても、最後に戦いに負けてしまう。その理由が何か、よく考えてみるべき。(2013/07/09)

「年功序列」「終身雇用」は企業が成果を上げる点で論理的には悪に思われるかもしれませんが、「成果主義」を取った会社が成長しているとも限らない。欧米で「成果主義」を取っている会社は短命です。その理由が「会社の評価基準」なのでしょうね。「成果主義」が正しく運用されているうちはいいのですが、それが「プロセス評価」というような利益に跳ね返らないものになったり、「恣意的な評価」がされれば意味がないのは当然。また、時代の流れとともに評価基準を変えて、それまでの評価基準で昇進してきた人は、最悪の場合クビにすることが必要ですが、それができていない企業が実に多い。そうであるならば、「成果主義」は逆に足を引っ張るだけの悪、ぼーっとしているかもしれないけども、「年功序列」で、自分は仕事はできないけども、若い人の活動を邪魔しない、一見ぼーっとした上司の方が良いですよね。それが実は日本のこれまでの強さだったのかもしれません。(2013/07/08)

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三品 和広 神戸大学教授