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急速に経済価値が増す、家の中の家事育児

平均的な専業主婦のみなし年収は、226万円

2013年8月7日(水)

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 国内における経済活動の指標として一般的に注目されるGDP(国内総生産)は、国内で生産された最終生産物の価値の総和(もしくは付加価値の総和)として定義されている。しかし家事などの無償労働から得られる家計向けサービスは、GDP統計で扱われる生産物と同様、資本と労働を組み合わせて生産されるサービスであるにもかかわらず、市場を通じて売買されないためにGDP統計には含まれない。

 本稿では、無償労働から得られる家計サービスの「帰属価値」と、耐久財から得られる家計サービスの帰属価値をそれぞれ推計し、家計生産の経済に対する重要性を検証してみることとする。帰属価値とは、実際には市場で取引されることのない財・サービスを、あたかもそうであるかのように評価した価値のことである。ここで耐久財から得られる家計サービスの帰属価値を加えるのは、家電などが家事や家庭での活動で担う役割が大きいからだ。

 まず、家庭での無償労働についてである。われわれが家事などの家内労働に従事する時間は、経済的に価値のあるサービスを生産しているにもかかわらず、無償労働であるためGDP統計には反映されない。この問題は早くから注目されており、世界中の経済統計担当機関が各国のGDP統計の補助統計として、無償労働の帰属価値を推計している。日本では内閣府社会経済総合研究所が1981年から5年おきに報告している。

 本稿では、内閣府の定義に従って、家事(炊事、掃除、洗濯、縫物・編物、家庭雑事)に加え、育児、介護・看護、買い物、ボランティア活動を無償労働に含む。総務省「社会生活基本調査」によると、2011年における15歳以上の女性の一人当たり年間無償労働時間は1381時間(1日平均3.8時間)である。

男性が家事労働にかける時間は増えている

 これに対して、男性は284時間(1日平均0.8時間)である。ただし、女性の無償労働時間は1981年の1464時間から徐々に減少しているのに対し、男性の無償労働時間は1981年の106時間から徐々に増加している。この原因としては、女性の就業率の上昇による共働き世帯の増加が考えられる。共働き世帯が増えたことにより、これまで女性に偏っていた家事を夫婦で分担する家庭が少しずつ増えているのだろう。興味深いことに、アメリカでは2010年の女性の年間無償労働時間は1350時間(1日平均3.7時間)で日本とほぼ変わらないのに対し、男性は年間876時間(1日平均2.4時間)と日本の男性のおよそ3倍である。また、家電の普及と技術進歩による家事労働時間の減少も、女性の無償労働時間の減少の一因と考えられる。

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「急速に経済価値が増す、家の中の家事育児」の著者

大津 敬介

大津 敬介(おおつ・けいすけ)

英ケント大学経済学部講師

2001年3月、慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程を修了。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校経済学博士(Ph.D)。日本銀行金融研究所でエコノミストなどを経て2010年9月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長