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「給料泥棒は退職しろ?!」 働かない役職定年社員が招く負の連鎖

求められるのは自分の裁量で動く「自立心」

2013年8月6日(火)

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 頭では分かっていても、心が言うことを聞かないことがある。特に自分の“権威”とか、“立場”とか、自己評価を守りたいがために、「おいおい、それっておかしくないかい?」というような行動を取ってしまう危険性は、よほど心に余裕があるか、心の強い人でない限り、誰にでもあるはずだ。

 役職定年という制度は、そんな人間の心に潜む、ブラックな部分を刺激しかねない制度なんじゃないだろうか。

 役職定年制は、慣行による運用含め48%の企業が導入している(出所:厚生労働省「「平成21年賃金事情等総合調査(退職金、年金及び定年制事情調査)」)。改めて述べるまでもなく、取り入れている企業の多くは、組織の新陳代謝、人件費の増加の抑制などを目的とする。

 また、今年度から改正高年齢者雇用安定法が施行されたこと。さらには、公益財団法人日本生産性本部が2012年11月に行った調査で、「仕事と賃金がミスマッチしている年齢層は、50歳代」と5割超の企業が回答したことなどを考えると、今後さらに制度を取り入れる企業が増えるだろう(出所:「第13回 日本的雇用・人事の変容に関する調査」)。

役職定年の経験者が語った“景色”

 ある年齢に達した途端、役職が解かれ、ヒラ社員となる。年下が上司になり、決裁権がすべて奪われ、賃金も下がる。

 実際、その立場になるまでそこから見える景色は分からない。が、以前、役職定年を迎えた方にインタビューをさせていただいたときに、その“景色”を聞いてやるせない気持ちになった。

 肩書がなくなった途端、180度態度を変える人。年下上司の見下す態度。30年以上、会社のために尽くした自分が、ただの“労働力”としか扱われないことに対する不満感。プライドがズタズタになり、周りがみんな敵に見えて、自分の存在意義が見えなくなるのだ、と。

 自分ではどうにもコントロールできないほど感情が割れる、と話してくれた。

 そこで今回は、「役職定年制と人間の心」について考えてみようと思う。

 「私、会社で倒れちゃったんです。完全な過労です。3月末で、うちの部署で3人が役職定年になった。彼らがちっとも働いてくれないんで、その分をカバーしているうちに倒れてしまった。疲れているという自覚はありましたけど、自分でも驚いています」

 200人ほどの中小企業に勤めるこの男性は、47歳。彼は3月末に係長から課長に昇進。一方、前任の課長は役職定年になり、部下となった。3月末まで同じ係長で横並びだったベテラン社員2人も役職定年を迎え、同じく彼の部下になったそうだ。

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「「給料泥棒は退職しろ?!」 働かない役職定年社員が招く負の連鎖」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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