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製品を売らずに“X体験”を売れ!

エネルギー飲料「レッドブル」の非常識マーケティング(上)

2013年8月26日(月)

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 およそ4万メートル上空から見下ろす地球は、漆黒の宇宙空間に漂う青白い球体にしか見えません。暗闇にポツンと浮かぶ小さなカプセルの窓から身を乗り出した男性は、何を思ったか、宇宙服ひとつでそこから飛び降りたのです。見ていた私も思わず鳥肌がたちました。

 昨年10月14日、フェリックス・バウムガートナーというオーストリア人が成層圏からジャンプし、スカイダイビングの最高高度、人類初の音速を超える自由落下など、同時に4つの世界記録を打ち立てました。ほぼフルマラソンと同じ距離をおよそ4分間で落下するフリーフォールの速度は、40秒で音速を超えて最高時速1357kmにまで達しました。これは、ボーイング747旅客機の時速965kmを優に超えるスピードです。

 ダイビングの様子はYouTubeでも生放送され、瞬間最大視聴数はおよそ800万ビューを記録しました。これは、過去の記録(ロンドンオリンピックの50万ビュー)の16倍にも相当する圧倒的な数字でした。

成層圏からのジャンプ”ハイライト映像はこちら(YouTubeのレッドブル公式チャネル)

 この“成層圏からのジャンプ”を企画・実施したのが、エネルギー飲料メーカーの「レッドブル」です。しかし、レッドブルの公式ウェブサイトに行ってもFacebookの公式ページを見ても、目に入るのはスポーツや音楽イベントに関する情報ばかり。飲料メーカーなのに、肝心の製品を売ろうとしている気配は全くありません。誰もこの会社が飲料メーカーだとは思わないでしょう。

 それもそのはず、彼らが売ろうとしているのは“飲み物”ではなく“極限体験”なのです。つまり、この“成層圏からのジャンプ”も文字通りレッドブルの売り物の1つなのです。

 この常識外れのマーケティング活動で有名なレッドブルは、実は日本のある製品を参考にして誕生しました。大正製薬の栄養飲料「リポビタンD」です。そして、今や販売減少で苦戦する“本家”(関連記事:【誤算の研究】大正製薬 リポD神話の崩壊で迷走)を、売り上げや販売本数で大きく上回り、2011年には世界の栄養ドリンク市場の実に44%を占めるまでになりました(Symphony IRI調査)。昨年には世界161か国で5億2000万本が消費され、前年比15%以上の成長を遂げています。

 多くの日本企業がこれまで信じてきた「良い製品を作れば売れる」という教義とはまるで違った形で成功を収めたレッドブルとは、一体どのような会社なのでしょうか? 彼らのマーケティングとは、一体どのような信念に従って行われているのでしょうか?

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「製品を売らずに“X体験”を売れ!」の著者

鈴木 友也

鈴木 友也(すずき・ともや)

トランスインサイト代表

ニューヨークに拠点を置くスポーツマーケティング会社、「トランスインサイト」代表。一橋大学法学部卒、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)出身。スポーツ経営学修士。中央大学非常勤講師

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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