• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

アレクサンドロス大王の基礎を作ったアリストテレスの世界観

「思い」だけでは大きな成功を収めることはできない

2013年9月2日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 何年か前のことだが、ギリシア人の友人の逆鱗に触れてしまったことがある。雑談の途中で、アレクサンドロス大王の話になり、私が「彼は、ギリシアのポリスではなくて、マケドニア出身だったよね」と迂闊な発言をした途端に、彼が爆発したのだ。

 BC356年に生まれ、同336年弱冠20歳のときに、マケドニア王に即位。その後、わずか10年余りの間に、インダス川からバルカン半島およびエーゲ海沿岸まで、あるいは黒海沿いからエジプトはナイル川流域まで、広大な世界帝国を打ち立てたアレクサンドロス大王。

 彼の伝記の中で、史実に基づく部分が多いと考えられ、中心的な文献とされるアッリアノスの『アレクサンドロス大王東征記〈上〉―付インド誌』(大牟田章訳 岩波文庫)は、その結び近くで、「当時、人類のいかなる種族いかなる都市といえども、およそアレクサンドロスの名が響きわたらなかったところとてはなかったし、アレクサンドロスの名を耳にしなかった者など、誰ひとりとしてなかったのだ」とまで述べている。

ギリシアの友人が看過できなかった理由

 これ以降、後世付け加えられた伝説・逸話の類を含めて、アレクサンドロス大王は、古来、類まれな英雄としてあがめられてきたのだが、彼が「ギリシア人」であることを否定するような言いぶりは、ギリシア人の友人にとって、とても看過できる話ではなかったのだ。

 後から知ったのだが、アレクサンドロス大王およびその祖地マケドニアが、現代ギリシアの源流であるか否かは、今も非常にセンシティブな国際問題になっている。

 旧ユーゴスラビア(ユーゴスラビア社会主義連邦共和国)の崩壊に伴い、スロベニア、クロアチア、セルビアなど6つの共和国が誕生したが、そのうちの1つがマケドニア共和国を名乗った。これに対して、ギリシア政府が猛反発。自らの英雄であるアレクサンドロス大王を簒奪するかのような行動は許せない、と、マケドニア共和国の国名変更を求め、さらに同国のNATO(北大西洋条約機構)加盟に徹底的に反対するなど、大きな外交問題となった。

 現在でも、国連の仲裁でこの「マケドニア」国名問題についての交渉が継続しており、日本でもマケドニア旧ユーゴスラビア共和国(Former Yugoslav Republic of Macedonia)という暫定名称が使われている。

 旧ユーゴスラビアの側も、自らがアレクサンドロス大王の末裔に当たる国家だと主張を続けており、国際空港にアレクサンドロスの名前を付けたり、巨大なアレクサンドロス像を首都に建設したりするなど、その正当性を強く訴求、そのたびにギリシア側は強烈な抗議を繰り返している。

コメント3

「御立尚資の帰ってきた「経営レンズ箱」」のバックナンバー

一覧

「アレクサンドロス大王の基礎を作ったアリストテレスの世界観」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCGシニア・パートナー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経て現在に至る。事業戦略、グループ経営、M&Aなどの戦略策定・実行支援、経営人材育成、組織能力向上などのプロジェクトを手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

定年後の社会との断絶はシニアの心身の健康を急速に衰えさせる要因となっている。

檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師