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私的経験に基づく『典型的日本人』の英語サバイバル術

改めて考える「英語を学ぶ」ということ(その1)

2013年10月7日(月)

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 逆説的な物言いになってしまうが、自分が米国のビジネススクールを卒業できた理由の1つは、話す英語のレベルがかなり低かったからだと、真剣に思っている。

 日本で生まれ育ち、中学で初めて英語を習う、という典型的日本人として、33歳で留学した時は、本当に不安だった。授業中の発言回数と内容が成績の5割を占め、ここがうまくいかないと進級できない、という学校だからだ。

 大学の時に米文学を専攻したので、ある程度の読み書きはできると考えていたが、これとて、大量の宿題をネイティブ同様のスピードでこなせるはずもない。前夜こなした宿題の内容をもとに、90分間猛スピードで議論が続く授業が毎日2ないし3コマ。恥ずかしながら、30歳を過ぎて初めて英語圏に住むことになった自分が、この議論に参加し、意味のある発言をするのは至難の業に違いない、と戦々恐々としていた。

実際の授業で起きた意外な事態

 実際に授業が始まってみると、面白いことが起こった。90分の授業の中で、発言を求める側の生徒が90人。エアタイム(発言時間)を求めて、こちらも手を挙げて発言を試みる。首尾よく当ててもらって、話し始めると、周囲の議論のリズム・スピードに合わせようとするあまり、しどろもどろになってしまう。

 ああ、これはだめだ、と思っていると、不思議なくらい、教師もクラスメートも一生懸命に聞いてくれるのだ。中には、「彼が言おうとしていたのは、こういうことだと思う。それに追加して、自分はこう思う」とこちらの意図(時にはそれ以上のもの)を補足してくれる同級生まで現れた。

 幸運なことに、私には留学前に10年強の勤務経験があった。後から分かったのだが、20代後半の勤務経験が浅い欧米人が多いクラスの中では、経験に基づいた発言をできるだけ理解しよう、取り入れよう、という雰囲気があり、これが幸いしたのだ。もちろん、言葉が十分にできない外国人をサポートしてやりたい、という米国人特有のフェアネス感覚もあったように思う。

 中味が面白ければ、つたない英語でも聞いてやろう、という期待に必死で応えているうちに、現実と遊離した議論が続いたりすると、自動的に発言機会が回ってくるようにもなった。発言回数が少ないと単位を取れない学校への留学生としては、これは本当にありがたかった。

 残念ながら、進級できない羽目に陥る日本人の先輩・後輩もいたのだが、驚いたことにその多くは、ものすごく流暢に英語で会話する帰国子女の人たちだった。

 典型的なパターンは、幼少期に英語を身に付けたものの、大学教育は英語環境で受けておらず、かつ勤務経験も少ない方たち。周囲の英米人からは「流暢な発音の英語で発言できるのだから、我々と同じ土俵。同等以上の英語表現で、かつ中身のある発言をすれば認めてやる。今の発言は、その観点からは失格」といった厳しい見方をされてしまったのではないかと思う。

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「私的経験に基づく『典型的日本人』の英語サバイバル術」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCGシニア・パートナー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経て現在に至る。事業戦略、グループ経営、M&Aなどの戦略策定・実行支援、経営人材育成、組織能力向上などのプロジェクトを手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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