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曽野さん発言と「甘えてない!」騒動で考えた“育休問題”の深層

その末にたどり着いた私の極論の中身

2013年10月8日(火)

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 何も書かないでおこうと思っていたのだが、散々悩んだ結果、やはり書こうと思う。

 テーマは、「産休を巡る問題について」。なぜ、書こうと決めたのか。まずは、そのいきさつからお話しなければならない。少々長くなるが、お付き合いくださいまし。

 「出産したら女性は会社をお辞めなさい」―─。

 極論と言えるこの発言を、作家の曽野綾子さんがしたのは1カ月ほど前のこと。ご存じの方も多いかと思いますが、物議を醸した記事なので、できるだけ原文で紹介する。

物議を醸した曽野綾子さんの発言の要旨

 「赤ちゃんが生まれたら、仕事を続けるのは無理。赤ちゃんが熱を出せば、『早退させてください』となるのは無理もない。でも、そのたびに「どうぞ、急いで帰りなさい」と快く送り出せる会社ばかりではない。だから女性は赤ちゃんが生まれたら退職し、子どもが大きくなったら、また再就職できる道を確保すればいい」

 「会社に迷惑をかけてまで、なぜ女性は会社を辞めたがらないのか。共働きをしないと生活が苦しくなるからだろうけど、私たちが子育てをした頃は、みんな貧乏暮らしだった。保育所の待機児童の問題も異常。子どもは、自分の家で育てるもの。だから昔は、みんな親と同居していた。いまの若い人は親と同居したくないし、収入が減るのも嫌だから、保育所に子どもを預けて働くのが当然という」

 「彼女たちは会社に産休制度を要求なさる。しかし、あれは会社にしてみれば、本当に迷惑千万な制度。辞めてしまって、ずっといなくなるなら新しい人材を補填すれば済むけれど、そういうわけにもいかない。結局、産休で抜けた人の仕事を職場のみんなでやりくりしてカバーする。そういう制度を利用する女性は自分本位で、自分の行動がどれほど他者に迷惑をかけているか気付かない人」

 こう言い切ったのである。

 実はこの発言をした週刊誌では、育児休暇やマタハラ(マタニティーハラスメント)に関する問題を特集していて、曽野さんの前の号で、私も意見を聞きたいと依頼された。で、漫画家の倉田真由美さんとフリーアナウンサーの松田朋恵さんと鼎談をしたのである。

 私が発言した内容は、以前書いたコラム、「育休フィーバーの影で犠牲を強いられる“正直者”たちの鬱屈」や、「『子供を産めば出世できる?!』 消費者庁新人事制度の“迷走”」「『キャリア意識が低い?』 彼女が出産を機に辞めたホントの理由」に、準じたものだ(長くなるので、改めてここでは書きませんので、興味ある方はお読みいただければ幸いです)。

 倉田さんも、松田さんも、ワーキングマザーとしてのご経験から意見を述べた。

コメント144件コメント/レビュー

曽野さんは逆説的な表現をされる。今の枠組みを変えないなら一番合理的。じゃ生殖年齢を過ぎた個体や独身者がなぜ働くようにヒトは進化したのか?それは社会という枠組みの中で間接的な子育てをするからだ。結局,次世代育成の不可能な社会はむなしいし生物の摂理に従い絶滅へと向かう。労働を自己の生命維持のためだけと捉えてはならない。そこを取り違えると敵を間違えて社会性動物として生物として一番重要なものを敵にしてしまう。 言い換えれば,思いやりのない自己・自社の権利の主張のしわ寄せは次世代の減少として現れ,最終的には社会の絶滅で終わる。「愛」問題だろう。(2013/10/29)

「河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学」のバックナンバー

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「曽野さん発言と「甘えてない!」騒動で考えた“育休問題”の深層」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

曽野さんは逆説的な表現をされる。今の枠組みを変えないなら一番合理的。じゃ生殖年齢を過ぎた個体や独身者がなぜ働くようにヒトは進化したのか?それは社会という枠組みの中で間接的な子育てをするからだ。結局,次世代育成の不可能な社会はむなしいし生物の摂理に従い絶滅へと向かう。労働を自己の生命維持のためだけと捉えてはならない。そこを取り違えると敵を間違えて社会性動物として生物として一番重要なものを敵にしてしまう。 言い換えれば,思いやりのない自己・自社の権利の主張のしわ寄せは次世代の減少として現れ,最終的には社会の絶滅で終わる。「愛」問題だろう。(2013/10/29)

曽野さんの意見は「貧乏だった昔」については是だったと思います。家庭内で役割分担をし、助け合うことは死活問題でした。今は豊かになり、飢えで死ぬことはなくなりました。何より「仕事=肉体労働」でなくなり、女性でもできる、むしろ活躍できる仕事が増えました。多くの肉体労働は機械に置き換えられ、IT化が進み、生身の人間に残された仕事の多くは、機械には不可能な「コミュニケーション力」が求められる仕事なのです。女性は働きたくないんじゃないか、という意見の方は誤解しています。女性が働きたい働きたくないにかかわらず、これからの日本社会は女性を労働力として必要としているのです。働いてもらいたいのです。そのために女性が働けて、かつ、子育てができるような仕組みが求められているのです。それが大前提です。一方、他の先進国と同様、現代日本の若い世代のメンタリティは男女問わず、昔の人と大分変ってきています。教育や、インターネットによる情報伝達の速さにより、個々人の嗜好や考えの差異が著しくなってきました。そうすると、嗜好や考えの異なる人との同居が非常にストレスになります。不満があっても黙って夫に従う妻は少なくなります。昔だったら「養ってもらっているから」我慢できたことでも、難しいのです。そのストレスの高さは、皆がほぼ同一の価値観を共有していた時代に育った曽野さん世代には理解できないでしょう。だから女性は働きたいのです。好きでもない男との結婚や、気の合わない義親との同居を避けるために、自分の経済力をつけておきたいのです。わがままでなく、自衛です。若いカップルを見ると、男性でも経済的に妻を縛り付けることで自己満足するのでなく、精神的な結びつきを大事にする人が増えているように感じます。40代以下の若い世代にだけ注目すれば、女性も男性も働き、社会に参加することに異論はあまりないのではないのでしょうか。今の育休制度がベストとも思いませんが、年配の方々が「昔の家族制度」への郷愁を若い世代に押し付けるのは勘弁してほしいです。(2013/10/23)

難しい問題だと思います。私は平社員ですが、1年間休むということは、2つとらえることができます。1つはもはや会社や同僚にとってお荷物の社員を肩たたきすることができること、あるいは自身を向上させることの2つしか選択肢がないと思うからです。むしろ1年間休ませるということは、これも休めない人間も出るわけで、また不公平になる上に、休める人間は復帰時にそのまま解雇や契約満了扱いすることもできます。なので、むしろ会社に必要な人間こそ休ませるような制度にしないといけないと思います。今の日本にはできないことですよね。このような制度にするには、家庭教育や義務教育も含めて、根本から見直さないといけないと思います。(2013/10/19)

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三品 和広 神戸大学教授