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“解雇特区”をごり押しする政治の論理と常識への疑念

米SASインスティチュートに見る長期雇用の価値

2013年10月22日(火)

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 このコラムが掲載されるときには、いったいどんな議論がなされているのだろうか?

 キーワードは、「解雇」。それとペアで登場しているのが、成長であり、流動性。

 はい、そうです。臨時国会が開幕してから、毎日のように賛成派と反対派の、全くかみ合わない議論が報道された「雇用特区」構想についてである。

 雇用特区を巡っては、一部メディアの記者は、「こんなものを許したら、『遅刻をすれば解雇』といった条件で契約し、実際に遅刻をすると解雇できる」と攻撃。民主党の海江田万里代表も、「働く者を使い捨てにする企業を大量生産する『解雇特区』など断じて認められない」と、“解雇”にこだわった。

 一方、安倍晋三首相は、「『解雇特区』といったレッテル張りは事実誤認で、不適切。基本方針は成熟産業から成長産業への失業なき円滑な人材移動」と反論。自民党副幹事長の河野太郎衆院議員もブログで、「解雇のルールを明確にすれば、新産業の育成や海外企業の活動がすすむ。『強い立場の企業が、弱い労働者に不利な条件を強要する』と懸念する声があるが、限定された専門的な人材が対象であり、こうした人材がそもそも弱い立場の労働者だろうか」と記している。

 そもそも前者は「人」を、後者は「カネ」、いや「経済」を見て、いやいや、「企業」か? いずれにしても「人」を中心には置いていない。違う景色を見て、あーだこーだと言い合ったところで、建設的な議論になるわけがない。むしろ感情的になって、泥沼化するばかりだ。

 そんな中、10月18日、日本経済新聞が朝刊の一面で、「雇用 大幅緩和見送り」との見出しで、その概要が固まったことを報じた(詳細は後ほど)。

 その内容は、一見「大幅見送り」だが、構想の根幹は大して変わってない。つまり、今後も企業の成長は、解雇と流動性がセットで進められていく可能性が高いということだ。

 でも、私の頭の中には、「?」が満載なのだ。だって、「企業の成長にとっては、長く雇い続けることに価値はなく、流動化させることだ」という主張が数多く見受けられるけれど、「それってホント?」と、どうにも素直に受け入れられない。あちらこちらで飛び交う意見に耳を傾ければ傾けるほど、“あまのじゃく的思考”が強まってくる。

 そこで、今回は「雇用と成長」について、考えてみます。

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「“解雇特区”をごり押しする政治の論理と常識への疑念」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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