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米国のスポーツ組織は“ブラック企業”?

加速する無給インターン提訴の流れ

2013年11月29日(金)

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米ニューヨークのマンハッタンにある「マジソン・スクエア・ガーデン」。この夢のアリーナが思わぬ訴訟の舞台に(写真:AP/アフロ)

 スポーツ界で働く事はこれまで「夢の仕事」(Dream Job)と言われてきました。大人から子供までが胸躍らせて足を運ぶ芝の匂い漂うボールパーク。1点の攻防に歓喜の声援があふれるアリーナ。こうした、子供の頃からの喜怒哀楽が詰まった世界で仕事ができることに、多くの人が憧れるのです。

 誰もが働きたいと思っている業界だからこそ、自分の代わりはいくらでもおり、1日15時間、16時間の長時間労働は当たり前。土日もフルに休めるなんてことは、1年を通してそれほどありません。大学院でスポーツ経営学の専門教育を受けたアメリカ人ですら、年収2万ドル(約200万円)、3万ドル(約300万円)からのスタートということはざらです。むしろ、こうした厳しい労働条件でもフルタイムの職にありつけた人は幸運と言うべきで、全米に数あるメジャーからマイナーに至る数百のチームに履歴書を送ったが返事が1つも来ない、なんてことも珍しくありません。

 いかに米国のスポーツビジネス界への就職が難しいかは、以前『球団への就職は「夢のまた夢」』にて、弊社のインターンだった2人の学生の就職活動の様子をケーススタディーとしてご紹介しました。特に、2001年の911テロや2008年の“リーマン・ショック”後は、保護主義的な色彩の強い雇用法の成立などもあり、さらに困難を極めるようになっていました。

 しかし、最近、「夢の仕事」であるはずのスポーツ界で異変が起きています。何をあろうか、せっかくその夢への入り口に手を差し掛けたばかりのインターンが、雇用主に対して訴訟を起こし出したのです。アメリカのスポーツビジネス界では今、一体何が起こっているのでしょうか? 米スポーツ組織は“ブラック企業”なのでしょうか?

スポーツ界の未来を揺るがすインターン訴訟

 そのニュースは、米国スポーツ界では大きな衝撃を持って受け止められました。

 今年9月、あの「世界で最も有名なアリーナ」(The World’s Most Famous Arena)ことマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)の元インターンが同社を訴えたのです。訴えは集団訴訟として日に日に原告数を増やしており、最終的には500人を上回ると見られています。

 訴えを起こしたのはMSGが保有するNHLニューヨーク・レンジャーズで2011年9月から2012年1月まで約5カ月間インターンとして勤務していたクリス・フラティセリ(Christopher Fraticelli)氏。訴状によると、原告は「MSGは不当に“インターン”もしくは“学生アソシエイト”(student associate)の肩書で大学生を無給で雇用し、正社員と同様の仕事をさせていた」として、得べかりし給与の返還をMSGに求めています。

 無給での学生インターンはスポーツビジネスに限らず、米国のエンターテインメント業界ではよくある取り組みです。この中で、学生は労働力を提供する対価として、学校では学ぶことのできない貴重な職務経験を積むのです。いわば、「経験こそがその報酬」という世界です。

 この訴訟の何が驚きかと言えば、従来までは「貴重な報酬」であるはずの職務経験という対価を得ているにもかかわらず、その雇用主を訴えた点です。原告は、単なる雑用ではなく、正社員と同様の仕事をさせてもらっていた(チケット販売や協賛営業をしていた)わけですから、それはインターンとしては喜ぶべきことのはずでした。

コメント6件コメント/レビュー

会社の方針でインターンの受け入れをしていますが、正直使えません。学生側も打算があって参加しているケースも少なくないため、会社への貢献度はほとんどありません。有給以前に、逆に指導料をもらいたいぐらいです!(2013/12/02)

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「米国のスポーツ組織は“ブラック企業”?」の著者

鈴木 友也

鈴木 友也(すずき・ともや)

トランスインサイト代表

ニューヨークに拠点を置くスポーツマーケティング会社、「トランスインサイト」代表。一橋大学法学部卒、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)出身。スポーツ経営学修士。中央大学非常勤講師

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

会社の方針でインターンの受け入れをしていますが、正直使えません。学生側も打算があって参加しているケースも少なくないため、会社への貢献度はほとんどありません。有給以前に、逆に指導料をもらいたいぐらいです!(2013/12/02)

・・・バイト代位は貰えるのだと思っていたら、ビタ一文払って無かったんですね。。。 使い物になるかどうか分からないというのは分かりますけど、仮にそこそこ優秀な程度だとその後も業界で働けるか分らない程に門戸が狭いというのなら、業界なり、チームの良心として心ばかりの報酬は必要じゃないですかね。 欧米は「選ばれし者」に収入が集中させすぎていると思います。 個人的にその収益配分は「人を家畜に貶める」事を率先して行っている様に思われ、好きになれませんね。 ま、それに憧れる人も多いんでしょうけど。(2013/12/02)

無給の期間としては1年でも長すぎる。見習い期間もせいぜい3カ月が限度でしょうし、それ以降は最低賃金程度の支払いは行うべきです。無給インターン然り、サービス残業然り。タダで労働力が提供されることを前提に人を使っている会社に未来はありません。(2013/11/30)

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後藤 忠治 セントラルスポーツ会長