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「開発の時代」はアジアまで、アフリカは離陸できない?

平野克己・アジア経済研究所上席主任研究員と考える「アフリカビジネス」(その3)

2014年1月9日(木)

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池上前回は、中国のアフリカでの経済開発のお手本が、実は戦後日本が行ったアジアの開発援助だった、というお話をうかがいました。

  1. 援助でインフラを整える。
  2. 次に、商品を投下して消費マーケットを作る。
  3. そして、現地の安価な労務費を活かした工場移転。

 これが、アジアにおける経済開発のセオリーでした。

平野:その通りですね。

池上:ところが、平野さんの話だと、アフリカの場合、3の工場移転が難しい、とのこと。

平野:はい。今、本気でアフリカに工場移転したいと思っている日本企業はほとんどいないでしょう。

池上:どうしてですか? たとえば南アフリカは、かなり前から日本やドイツの自動車会社の工場があるじゃないですか?

平野 克己
アジア経済研究所上席主任研究員(写真:大槻純一、以下同)

平野:南アフリカは、白人政権時代は先進国扱いでした。アフリカにおける例外です。トヨタ自動車は南アフリカのダーバンに、すでに1960年代に工場を建てています。南アフリカは、アフリカ大陸の中で例外的に、早くから産業が発達しました。大西洋とインド洋を結ぶ連接点にあり、貿易の重要拠点になり得る地政学的なメリットがあるほか、なんといっても巨大な金鉱とダイアモンド鉱が発見されたからです。南アフリカは極端な人種差別政策、アパルトヘイト体制をとっていました。当時、あの国でクルマを売るためには、工場移転をして、現地生産をしなければいけなかったんです。

池上:なるほど。やはりダーバンに工場がある独BMWや独フォルクスワーゲンも同じ理由だったのでしょうか?

アジアにできて、なぜアフリカではダメなのか

平野:そうです。同じ理由です。ドイツメーカーにとっても南アフリカは、最初に海外生産を始めた国の一つでした。アパルトヘイト時代には、世界中の自動車メーカーが南アフリカに入っていました。南アフリカはアフリカ大陸南端に孤立した工業国であり、製造業の保護政策をとっていました。当時の自動車関税は150%とべらぼうに高かったため、現地生産にしないとビジネスにならなかったのです。

池上:でも、南アフリカに工場を作って利益は出るものですか。

平野:当時は、既に償却の終わった生産設備を南アフリカへ持ち込むことで、型落ちの安価なクルマを作ったと聞いています。オーストラリアと同様、南半球に位置する白人“先進国”として自動車需要は底堅かったですしね。

池上:自動車産業以外に、アフリカに工場がある世界企業はないのですか。

平野:米コカコーラは現地工場を持っています。コカコーラは「地元の水を使う」という自社ルールを設けているからです。でも、これも言ってみれば、コカコーラの特殊ルールです。ほかにも現地生産している企業はありますが、アジアのような輸出拠点としてではなく、消費地立地のものです。いち早く経済発展し、かつ、貿易の重要拠点となった南アフリカを除くと、アフリカで消費財を大量生産する工場を今の時点でつくることができるか、といったら、おそらくできません。

池上:なぜアジアではできたのにアフリカでは無理なのですか?

コメント8件コメント/レビュー

アフリカは潜在資源という視点では非常に魅力的だが、工場としての活用は無理だと思う。政治の不安定・民族紛争はもとより、言葉は悪いが一部を除いて民度が極端に低い。また、万一アフリカが先進国に近い生活を手に入れたら、死亡率低下による人口増加が文字通り「爆発的」になり、地球規模での資源(特に食糧)不足が極めて深刻化するのは間違いない。 アフリカの未開国には手を出さずにおいておくことが望ましいだろう。(2014/01/11)

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「「開発の時代」はアジアまで、アフリカは離陸できない?」の著者

池上 彰

池上 彰(いけがみ・あきら)

ジャーナリスト

1950年生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業後、NHK入局。報道局主幹を経て、2005年3月よりフリージャーナリストとして活躍中。2012年4月から東京工業大学で東工大生に「教養」を教えている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

アフリカは潜在資源という視点では非常に魅力的だが、工場としての活用は無理だと思う。政治の不安定・民族紛争はもとより、言葉は悪いが一部を除いて民度が極端に低い。また、万一アフリカが先進国に近い生活を手に入れたら、死亡率低下による人口増加が文字通り「爆発的」になり、地球規模での資源(特に食糧)不足が極めて深刻化するのは間違いない。 アフリカの未開国には手を出さずにおいておくことが望ましいだろう。(2014/01/11)

アジアにおける経済開発のセオリーで3番目に工場移転とあるが、現にこれとは全く違う形で発展を遂げた例がアジア(南アジア)にあると思う。頭脳労働力と通信インフラを頼りにし、(特に中国等に比べて)道路と鉄道インフラの悪さの中でも発展したインドのバンガロール。今でこそITのソフト開発の世界的中心地としての立場だけでなく、医療、金融、半導体の研究開発でエンジニアを中心に雇用と経済貢献をしているが、つい10年前までは電話オペレーターのアウトソーシング業界の経済貢献の割合が大きかったように感じている。アフリカの場合、英語やフランス語スピーカーが多い現状も踏まえ、バンガロール型で投資を呼び込む政策の方が合うのではないだろうか。(2014/01/09)

こういう言い方は発展途上の国に失礼かも知れないが、食料も自給出来ず、産業も無いのに子供が多く生まれ過ぎる。それで、十分に食べさせられないから栄養失調が多い。中国はアフリカ状態になる事が怖かったから「一人っ子政策」を法律にし、違反者には罰金まで課したのだ。アフリカが食料自給率を上げるには生産増と同時に人口の急増を抑える事が不可欠ではないのか?アジアでもインドは上昇率が大きく、40年後には中国を抜いて世界一の人口になる。但し、その後は減少すると見込まれている。何等かの手が打たれつつあると言う事だろう。それに対してアフリカ諸国は22世紀に向かって急激に増え続けると予測されている。このままでは工場移転や食料自給どころか、世界中の食料が足りなくなるだろう。その事にもっと目を向けないとアフリカ全体の生活レベル向上は不可能としか言い様が無い。食料援助よりも教育の普及こそが今のアフリカに一番必要なものだと思う。(2014/01/09)

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