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「開発の時代」はアジアまで、アフリカは離陸できない?

平野克己・アジア経済研究所上席主任研究員と考える「アフリカビジネス」(その3)

2014年1月9日(木)

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平野:最大の理由はコストです。労務費が高いんです。

池上 彰

池上:企業からすると人件費が高い、と。先進国の企業が途上国に工場移転する最大の理由は、人件費が安いから、ですよね。それがアフリカではできないわけですか。でも、なぜアフリカは人件費が高いのですか。経済発展していなければ、物価が安くて、人件費も安いはずですよね。

平野:いい質問ですね(笑)。なぜアフリカの人件費が高いのかというと、それはアフリカの物価が高いからなんです。では、なぜアフリカの物価が高いのか。それは主食を自国でまかなえないからです。つまり農業が発達していない。これがアフリカの物価高を招き、高人件費を招いている。

 そもそも低開発とは、低所得のみならず高コストであることを意味します。安くて豊富な財は、優れた産業や企業にしか作れません。産業力が劣るところでは、財やサービスが不足していて、しかも高価なのです。

池上:たしかに、アジアは東アジアでも東南アジアでも自国でコメを大量生産できています。中南米でしたら大豆やトウモロコシを大量生産できている。けれども、アフリカは熱帯で乾燥した地域が多く、灌漑も難しいことから、穀物の大量生産が難しい、と現地取材でうかがいました。

平野:その通りです。主食となる穀類の多くを、アフリカ各国は輸入に頼っています。当然、割高になりますね。食料の値段が高い、というのは、あらゆる物価に跳ね返ってきます。なにより人件費に跳ね返る。

池上:アフリカに出張すると、東南アジアに出張したときに比べ、お金がかかるなあ、と実感します。

平野:そうですよね。アフリカへ出張して、空港からホテルまででいくら使ったか、1日目の食事代を含めていくら使ったかを勘定してみると、明らかに割高です。下手をすると日本より高くついたりします。

食料の値段が人件費や物価を高騰させる

池上:確かにタクシーもホテル代も高いですね。食料自給率の低さが、物価高を招き、割高な人件費を招いていたわけですか。それに加えて、いまのところ、アフリカでは物流コストもすさまじく高い。アフリカは、54カ国中内陸国が16カ国を占め、陸上物流が各国の経済の生命線となっています。なのに、鉄道が発達しておらず、自動車による輸送に頼りきりなのに、道路整備や舗装が遅れている。

平野:だから、前回お話ししたように、中国などが道路整備をアフリカで行っているわけですが、まだまだ追いついていません。食のコストと、物流や移動のコストは、あらゆる物価に乗っかります。つまり、今のアフリカは、生産拠点とするには適切ではない、となるわけですね。アジアは食のコストが安かったために、人件費も抑えられていた。アフリカとそこが違ったわけです。だから、日本企業でアフリカに生産拠点を設けようというところが見当たらないのです。

池上:アフリカの物価はどのくらい高いのでしょう?

平野:国連機関の物価調査をさかのぼってみると、1980年代から一貫して、アフリカの食料物価はアジアの倍くらいでした。あるメーカーの方から聞いた話ですが、南アフリカの工場とタイの工場を比べると、南アフリカのコストはタイの3倍。生産性はタイの3分の1だそうです(苦笑)。

池上:うーん、南アフリカにして、そのコスト高ですか。社会インフラの整備が遅れている他のアフリカ諸国では、もっとコストが高くなりそうです。たしかにそれでは、工場移転は無理ですね。

平野:消費地立地型の工場に限られてしまいますよね。アジアにように、第三国輸出のための工場は難しい。それでも、南アフリカにだけは進出する日本企業があります。それは、世界全体を見渡したグローバル・ロジスティクスを考えたとき、南アフリカに生産ラインを持つことが重要だからです。また、世界でトップになろうと思ったら、アフリカのように効率の悪い市場も押さえておかなくてはなりません。

池上:では、中国はどうなのですか。中国もアフリカで生産する気はないのでしょうか?

コメント8件コメント/レビュー

アフリカは潜在資源という視点では非常に魅力的だが、工場としての活用は無理だと思う。政治の不安定・民族紛争はもとより、言葉は悪いが一部を除いて民度が極端に低い。また、万一アフリカが先進国に近い生活を手に入れたら、死亡率低下による人口増加が文字通り「爆発的」になり、地球規模での資源(特に食糧)不足が極めて深刻化するのは間違いない。 アフリカの未開国には手を出さずにおいておくことが望ましいだろう。(2014/01/11)

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「「開発の時代」はアジアまで、アフリカは離陸できない?」の著者

池上 彰

池上 彰(いけがみ・あきら)

ジャーナリスト

1950年生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業後、NHK入局。報道局主幹を経て、2005年3月よりフリージャーナリストとして活躍中。2012年4月から東京工業大学で東工大生に「教養」を教えている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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アフリカは潜在資源という視点では非常に魅力的だが、工場としての活用は無理だと思う。政治の不安定・民族紛争はもとより、言葉は悪いが一部を除いて民度が極端に低い。また、万一アフリカが先進国に近い生活を手に入れたら、死亡率低下による人口増加が文字通り「爆発的」になり、地球規模での資源(特に食糧)不足が極めて深刻化するのは間違いない。 アフリカの未開国には手を出さずにおいておくことが望ましいだろう。(2014/01/11)

アジアにおける経済開発のセオリーで3番目に工場移転とあるが、現にこれとは全く違う形で発展を遂げた例がアジア(南アジア)にあると思う。頭脳労働力と通信インフラを頼りにし、(特に中国等に比べて)道路と鉄道インフラの悪さの中でも発展したインドのバンガロール。今でこそITのソフト開発の世界的中心地としての立場だけでなく、医療、金融、半導体の研究開発でエンジニアを中心に雇用と経済貢献をしているが、つい10年前までは電話オペレーターのアウトソーシング業界の経済貢献の割合が大きかったように感じている。アフリカの場合、英語やフランス語スピーカーが多い現状も踏まえ、バンガロール型で投資を呼び込む政策の方が合うのではないだろうか。(2014/01/09)

こういう言い方は発展途上の国に失礼かも知れないが、食料も自給出来ず、産業も無いのに子供が多く生まれ過ぎる。それで、十分に食べさせられないから栄養失調が多い。中国はアフリカ状態になる事が怖かったから「一人っ子政策」を法律にし、違反者には罰金まで課したのだ。アフリカが食料自給率を上げるには生産増と同時に人口の急増を抑える事が不可欠ではないのか?アジアでもインドは上昇率が大きく、40年後には中国を抜いて世界一の人口になる。但し、その後は減少すると見込まれている。何等かの手が打たれつつあると言う事だろう。それに対してアフリカ諸国は22世紀に向かって急激に増え続けると予測されている。このままでは工場移転や食料自給どころか、世界中の食料が足りなくなるだろう。その事にもっと目を向けないとアフリカ全体の生活レベル向上は不可能としか言い様が無い。食料援助よりも教育の普及こそが今のアフリカに一番必要なものだと思う。(2014/01/09)

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