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「ジャッジできない俺は無能?」正解を強要する“A型上司”の罠

小保方博士の報道に見る“オトナ”になれない日本社会

2014年3月11日(火)

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 さっさとジャッジできないのはいけないこと、ダメなこと――。そう考えるリーダーは、実に多い。

 「あわぁぁ~、あの……いつも、そんなにまくしたてているのでしょうか? た、多分そこに御社の問題の根元があるのでは……」

 と突っ込みたくなるほど、スピーディなジャッジにこだわるトップに、先日もお目にかかった。

 競争が激化すればするほど、性急に白黒つけて、はっきりしたくなる。遅いよりも早いほうがいいだろうし、白か黒か、はっきりしたほうがすっきりもする。

 でも、世の中、そんなに白黒つけられることばかりじゃないわけで……。無駄だと思われているものが実は大切なものだったり、非効率なほうが思いもよらない産物につながったりすることもある。

 急いで白黒つけることで、失われているもののほうが多いのでないか? そんな気持ちになることが、最近多い。

 というか、私自身がちょっとウンザリ気味なのだ。すぐに、「白か黒か」とケリをつけたがるリーダーたちに……。いや、正確には、世の中の風潮に、といったほうがいいかもしれない……。

 そうなのだ。過剰なまでに、「白と黒=ポジティブとネガティブ」の対立軸で物事にジャッジを下すことがどうにもスッキリしない。なんだかとんでもなく、それが息苦しい。

 そこで、今回は、「白と黒」について考えてみようと思う。

社員にスピード決断を迫るモーレツ社長に唖然

 「何ごともスピード感を持って、決断と実行ができなきゃ。日本人の曖昧さは、企業にとって命取りです。もっと迅速に、決断していかないとダメ。今後、ますます当社を取り巻く状況は厳しくなるから、結果が出ないもの、無駄なものはどんどん廃止しなきゃダメ。そうしないと生き残れません」

 「なので、私はいつも社員には、白黒を早急に見極めて、必要なものにはどんどん投資しろって言ってるんだけどね。これが、どうも社員に伝わらないみたいで。のんびりしてるんだよね。ホラ、昔あったでしょ。ファジーって? それじゃダメなんだけどね」

 「アナタもいつだったから、書いてましたよね? 社員と顔と顔を突き合わせて、話す時間をトップは大事にしなきゃダメだって。私も社員の意見を聞くように心掛けているし、そういった場をいくつも設けている。でも、意見が出ない。ダメだね~。たまに出たとしても、発想が貧困だし、改革精神に乏しい。危機感がない」

 「やっぱり内向きなんですかね。これからは外にどんどん目を向けて、チャレンジしていかなきゃダメなんだけどね。まっ、そういうわけなので、社員にちょっとアナタからも発破かけてくださいな。私はちょっとこのあと用事がありますんで、せっかくのお話を聞けないんですけど。よろしくお願いしますね」

 これは先日、講演会に呼んでくださった会社の社長さんが、控室にご挨拶に来たときに話してくださったこと。

 数々の業績をあげ、鳴り物入りで親会社からやってきたという、この社長さん。彼は、ここには書ききれなかったほどの、「ダメ」「ダメ」「ダメ」を連発し、「僕はね、時間に追われていて忙しいんだよ」と言わんばかりの早足で、とっとと出て行ってしまったのである。

 メチャクチャすごかった。というか、正直、唖然とした。

コメント48件コメント/レビュー

今回のコラムは、つまるところ短期的な経営指標によってドライかつ大胆に経営を切った貼ったする「米国式経営」およびそれにかぶれてしまった経営者に対するアンチテーゼ、ということになるでしょうか?※米国式経営のスピードと決断力の凄さについては、三枝匡著「戦略プロフェショナル」の戦略ノートが好例、念のため。確かに、米国式株主資本主義に基づく「A型上司」式経営スタイルのデメリットはあります、しかし日本式「そんな感じでヨロシク」式経営スタイルにもデメリットはあります。当然ながら、双方ともにメリットはあります。日本式のデメリットの代表は「ゆでガエル症候群」でしょう、つまり「決断せずにこのままいくとゆでガエルよろしくとん死しますよ」という論調です。この類の議論は、今まで何度も繰り返されており、「集中VS.分散」や「西洋VS.東洋」といった議論と似ているように思います。すなわち、結論は無く、議論すること自体「自動車は右側通行と左側通行のどちらが良いか?」を議論するのと同様ではないかと思います。(2014/03/14)

「河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学」のバックナンバー

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「「ジャッジできない俺は無能?」正解を強要する“A型上司”の罠」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

今回のコラムは、つまるところ短期的な経営指標によってドライかつ大胆に経営を切った貼ったする「米国式経営」およびそれにかぶれてしまった経営者に対するアンチテーゼ、ということになるでしょうか?※米国式経営のスピードと決断力の凄さについては、三枝匡著「戦略プロフェショナル」の戦略ノートが好例、念のため。確かに、米国式株主資本主義に基づく「A型上司」式経営スタイルのデメリットはあります、しかし日本式「そんな感じでヨロシク」式経営スタイルにもデメリットはあります。当然ながら、双方ともにメリットはあります。日本式のデメリットの代表は「ゆでガエル症候群」でしょう、つまり「決断せずにこのままいくとゆでガエルよろしくとん死しますよ」という論調です。この類の議論は、今まで何度も繰り返されており、「集中VS.分散」や「西洋VS.東洋」といった議論と似ているように思います。すなわち、結論は無く、議論すること自体「自動車は右側通行と左側通行のどちらが良いか?」を議論するのと同様ではないかと思います。(2014/03/14)

たぶん、河合さんが記事で警鐘を鳴らしている「拙速に白黒どっちが正しいと二択ジャッジする」というのと、いくつかのコメントにある、「決断を先送りすることの悪弊」「素早く判断するのが経営者の仕事」というものは、少しニュアンスが違うのだろうと感じました。 河合さんは、「事象を白と黒のどちらかしかない(中間はない)ように扱い、かつどちらかが一方的に正しく、もう一方は全くの誤り」とする風潮、さらにはその判断(というよりレッテル貼りとも思えますが)を早くすることが賞賛されている風潮に警鐘を鳴らしているのだと思います。 意思決定・行動判断を迅速にやらなければ手遅れになることは個人の人生でも会社の経営・事業運営でも往々にしてありますが、それは選択肢、進む道がABのどちらかしかないということではなく、中間やら第3の道やら、いろいろある中から迅速に決めていけばよいということだと思います。すべてを二択にしてしまって、「どっちだ!」と迫る方が楽なんでしょうがね。(2014/03/12)

白と黒、陰と陽とに区別したがるのは子供時代の教育の賜物であるようにも思える。答えが一つであるかのように半ば強いられ、同質でないことが間違いとされ、異なる意見を恥かしいと感じさせる教育構造。感情や周囲との関係性を重視できる人間を育てているように見えて、自分を肯定的に見れなくなる。そしてその分他人を否定的に捉えるようにもなる。尚、筆者の主張そのものには共感できるが、自然科学研究は全く別の問題である。ここには適さない。(2014/03/12)

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