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グローバル化でKAROUSHI 急増! 社員を壊す“加速の罠”

自殺を“個人の問題”に矮小化してはいけない

2014年3月18日(火)

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 「毎月、1人はいますよ。『今、樹海です』って、電話かけてくる社員が……。あ、すみません。毎月はちょっと大げさな言い方ですね。でも、それくらい多い、という感じがしているんです」

 こんな衝撃的な話をしてくれたのは、某大企業の健康管理室に勤める女性である。

自殺者数は交通事故死者数の7倍

 一日、平均75人――。これは昨年、自殺した方の人数である。2013年の自殺者数は、2年続けて3万人を下回り、2万7283人となった(警察庁と内閣府による確定値)。

 だが、減少幅は前年の9.1%から2.1%に低下し、交通事故死者数の約7倍、自殺率は米国の2倍、英国の3倍となっている。

 自殺の原因や動機では「健康問題」が1万3680人と最も多く、次いで「経済・生活問題」の4636人、「家庭問題」の3930人と続く。「経済・生活問題」を理由に自殺した人は前年より583人減って最も大きく減少しており、内閣府では「最近の経済状況の改善が大きな要因ではないか」と分析している。

 しかしながら、大抵の場合、死に至る原因は1つではない。3~5つほどの危機要因が存在し、それらが複雑に絡み合った結果、追い詰められる。

 働き世代の場合には、職場環境の悪化や職場の人間関係、パワハラなどが引き金となり、過労や生活苦に陥り、うつ病などの精神疾患につながるケースが多い。また、NPO法人ライフリンクの調査によれば、死に至るまでの期間は5年程度とされている。

 そういえは、今から4年前、「お父さん、眠れてますか?」と書かれたチラシ入りのティッシュが、新橋の駅前のビジネスマンたちに配られたことがあった。「眠れてますか?」というフレーズは、自殺者の多くがうつ病を事前に発症し、眠れないことが、うつのサイン、であることから考えられた。

「眠れないときには、うつ病の疑いを」
「眠れないほど悩んでいるときには、相談を」

 そんな思いを込めて、当時、内閣府特命担当大臣だった福島瑞穂さんが、自殺対策強化月間(3月)の政府キャンペーンを行ったのだ。

 眠る時間すらとれない長時間労働を強いられたり、頭から仕事が離れず、睡眠不足に喘いでいる“うつ予備軍”、言い方を変えれば“過労自殺”予備軍の人たちへのメッセージだったのである。

 で、今回。

 「あなたと話したい人がいます」「だれかとはなすと安心する」というメッセージを、内閣府は打ち出した。

 国民1人ひとりが悩んでいる人に気付き、声を掛け、話を聞いて、必要な支援をし、共に支え合う社会を目指そう! と、いうことらしい。

 「自分のことを気にかけてくれる人」がたった1人でもいれば、ちょっとだけ安心できる。大人であれ、子どもであれ、誰1人として、喜んで死を選んだりしない。「あの人に話してみよう」といった顔の見えるつながりや、「どうした?」と一声かけてくれる人の存在は、ストレスの雨の傘となる。なので、今回のメッセージも、自殺予防にとても重要ではある。

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「グローバル化でKAROUSHI 急増! 社員を壊す“加速の罠”」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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