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行き過ぎた“小保方さんバッシング”と女性活用の“闇”

女性はいまだにショーケースの展示品か?

2014年3月25日(火)

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 なんとも言葉にしがたい、憤りを感じている。完全に超えてはいけない“一線”を越えている。露骨すぎる。

 マスコミも世間も、怖い。本当に怖い。結局、行きつくところはここなのか? そんな思いでいっぱいである。先週、発売された週刊誌の内容は、とにもかくにもひどかった。

 小保方さんに関する、バッシング報道である。

 いったいこの報道にどんな意味があるのか?

 持ち上げられた人が落ちていく様は、そんなに面白いですか?

 安全地帯から石を投げるようなことをして、満足ですか?

 ときにマスコミは、人間の中に潜む闇の感情を引き出す“悪の装置”と化す。と同時に、世間の人たちの“闇”を匿名化し、消費させる都合のいい装置でもある。

 要するに、下劣なのはマスコミだけじゃない。

 フェイスブックやツイッターなどでも、悪趣味なジョークが飛び交っていた。本人たちは、ブラックジョークのつもりなのだろうけど、完全にアウトだ。

 と書きながらも、おそらく私の中にも“闇”は存在しているのだと思う。だから余計に怖いのである。

 いずれにして、不適切と不正は分けて考えなきゃいけない。現段階では、論文内容に不適切な部分は確認されているが、不正かどうかは調査継続中と、理化学研究所は発表している。

 もし、仮に、だ。仮に不正があったとしても、あそこまで小保方さんを追い詰められるほど、世の中の人は清廉潔白なのか。

 少なくとも私には、「私は潔白です!」と言い切る自信はない。「いつ、どこで」と明確に答えられるような不正をしたわけじゃないけど、小さなインチキはあったと思う。

 おそらく、今、この状況で、この問題に触れることはあまり賢明ではないだろう。でも、書きます。

 取り上げる理由は、あの1月29日の発表から今日に至るまで、今回の問題の背後には、「トークン」としての「女性」のプラスとマイナスの両方が顕著に含まれていて、それが今回の行きすぎたバッシングにまでつながった、そう思えてならないからだ。

 トークンとは、「目につきやすいもの、目立つもの」を意味し、少数派やマイノリティはトークンになりやすい。トークンは、社会や組織の中では、「珍しい存在」であるがゆえに、見せもの的な立場に置かれ、ときにさまざまなプレッシャーを経験する。その状態から引き起こされるさまざまな現象を、トークニズムという。

 もし、小保方さんが女性じゃなかったら……。

 おそらくここまで、卑劣な報道にはならなかった。

 いや、それ以前に、小保方さんが30歳という若さで、ユニットリーダーになることもなかったかもしれない。

 1月29日のマスコミ向けの、ちょっとだけ華やかな記者発表もなかったかもしれないし、マスコミ報道がここまで加熱することにもならなかっただろうし、世界中の研究者たちが、ネイチャーに掲載された論文を、ここまであら探しすることもなかったに違いない。

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「河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学」のバックナンバー

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「行き過ぎた“小保方さんバッシング”と女性活用の“闇”」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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