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ミスを許さぬ恐怖社会と正論の“不適切な関係”

ミスで袋叩きされるより、ミスが成長につながる世の中に

2014年4月15日(火)

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 今回のテーマは、「ミス」。

 といっても、MISS、MRSの、ミスではありません。って、当たり前か……。その、なんというか、こんなくだらないことを書きたくなるくらい、不正だの、捏造だの、故意だの、はたまた「未熟でしたなんて、言い訳にならない」「結局は女子力だ」だのなんだと、例の論文の“ミス”を発端にする、喧々囂々(けんけんごうごう)の議論に食傷気味なのだ。

 ここ数年、幾度となく、『ミスる→叩かれる→謝る→また、叩かれる』という場面を目の当たりにしてきたが、今回ほど「ミス」の怖さを思い知らされる出来事はなかったように思う。

  謝罪会見を見る度に、

 「いったいダレに、謝っているのだろう?」
 「なぜ、こんなに謝らなきゃいけないんだろう?」

 そんな釈然としない気持ちになる。そして、ミスを犯すことへの恐怖心が植えつけられる。特に小保方さんの“会見”後の世間の反応のあれこれは、寒心に堪えなかった。

 「ミスは犯しちゃいかん。嗚呼、絶対にミスをしないようにしなきゃ」と、必死にふんどし、じゃなく、はちまきを締め直してしまったのだ。

 が、そんな思いとは裏腹に、自分でも信じられないようなミスを犯してしまうのが人間なんだよなぁ~などと、改めて思ったりもした。

 あるときは不注意がきっかけで。あるときは知識不足が原因で。また、あるときは「正しい」と信じたことが、ミスになる。

 で、落ち込む。うん。とんでもなく落ち込むのだ。

 「なんでこんな取り返しのつかないミスを犯してしまったのだろう」と。

 好意的、否定的、人によって受け止め方は違ったけれども、「自分でも情けなかった」と語った小保方さんの気持ちは、本心なんだと思う。

 数年前、知人の男性が、あるときから自分でも信じられないようミスをするようになった。

 疲れていた。多分、それが原因だったのだと思う。

 でも、どんなに疲れていようとも、ミスの言い訳にはならない。なので、彼は「絶対にミスはしちゃいかん」と、神経を張り巡らせていたそうだ。

 そんな状況で、悲劇が起きた。彼はミスの責任を取らされ、閑職に異動させられた。直接的には自分が犯したミスではなかった。が、責任をなすりつけられ、彼自身も「仕方がない」と言葉を呑んだ。

 「そりゃ、『えっ? お、俺かよ』って思ったけど、失敗とかミスって、必ずしも一つの原因で起きるわけじゃないでしょ。だから、どの時点の何を問題にするかで、責任も変わってくる。それまでミスを重ねていた手前、反論もできなくてね。情けないね。僕は半沢直樹にはなれなかったな(苦笑)。『部下の手柄は上司のもの。上司の失敗は部下の責任』。これがしがないサラリーマンの生きる道とは思いたくないけど、これが組織ってもんなのかもしれない。仕方がない。ミスを連発させてた僕も、悪いんだ」

 奥歯に物が挟まった物言いではあったけど、私にこう話しながら、自分を必死に納得させていたのだろう。

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「ミスを許さぬ恐怖社会と正論の“不適切な関係”」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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ジェンスン・フアン エヌビディア創設者兼CEO(最高経営責任者)