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国交省発注公共工事、2割に談合の疑い

統計分析で突き止めた入札談合の実態

2014年5月1日(木)

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 学者一般にあてはまることかもしれないが、経済学者は意外に出張が多い。カンファレンスやセミナーで1カ月に一回くらいは出張している気がする。出張の一番の目的はなんといっても自分の研究の宣伝。こんなに面白いことやっていますよ、と同業者(他大学の教員)に売り込む。そうして自分の研究に注目してもらって、ひいては研究者としての注目度もあがっていく。

 出張の2番目の目的は、まだ具体的にはなっていないリサーチのアイデアみたいなものについて他の研究者といろいろ話すこと。多くの場合はそこから何も生まれないけれど、ごくたまに新たな研究の種が見つかる。今回ご紹介するのは、そんな雑談から始まった共同研究だ。共同研究者の中林純東北大准教授とは、昨夏、東京大学で僕が共催したカンファレンスの懇親会で初めて出会った。

 研究の目的は、公共工事の入札のデータから談合を見抜き、談合に手を染めていた業者を特定しようというものである。談合は現在、少なくなってきているといわれているが、少なくとも数年前までは日本の公共工事では談合が蔓延していた、と言われている。たとえばある刑事事件におけるゼネコンの業務担当者は次のように供述している。「われわれ業界は、談合するのが常態であり、ほとんどの工事につき談合により本命を決め、本命が落札できるように本命より高い価格で入札する」。

「談合ならでは」の不自然さを分析

 一方で、公正取引委員会による入札談合の摘発は年に数件程度にとどまっている。では、実際は摘発されなかった事案が多数あるのか。それとも巷で言われているほどは、談合なんておきていないのか。

 前提として、仮にたくさん談合があったとしても、入札のデータのみから談合を見抜くのはそう簡単ではない。談合は犯罪だから業者の方としてもバレないように気を使うはずだからだ。入札結果から談合が明白であればマークされるだろうし、最悪の場合、公正取引委員会から制裁を受けることになる。

 だがその一方で、談合の性質上、あらかじめ受注業者を決め(業界では本命と言われる)入札額を申し合わせておくので、入札が競争的である状況と比べるとどうしても不自然なところが出てくる。今回の研究では、健全な競争が保たれている場合に比べて、談合をするとどこに一番不自然な点が現れるか、という観点から2003年から2006年にかけて国土交通省が発注した4万件余りの公共工事の入札を分析した。

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「国交省発注公共工事、2割に談合の疑い」の著者

川合 慶

川合 慶(かわい・けい)

ニューヨーク大学助教授

東大法学部卒、米ノースウェスタン大学で経済学の博士号(Ph.D.)を取得後、エール大学でポスドク。2012年からニューヨーク大学経営大学院助教授。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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