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アメリカ大学スポーツの終わりの始まりか?(下)

最後に教育的価値が問われる皮肉

2014年5月14日(水)

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 前回は、3月26日に全米労働関係委員会(NLRB)が下した「奨学金を得ている学生選手は労働者と認められる」という歴史的判断について解説しました。要は、奨学金を得てプレーしている学生選手は、プロスポーツ選手と同様に見なすことができるということです。

 ちょっと日本の感覚では理解しがたいかもしれません。しかし、その背景にはアメリカの大学スポーツ界がプロ顔負けの巨額のマネーを生み出し、学生選手も学業よりもスポーツを優先し、実質的に“プロ選手”として大学生活を送っているという実態が指摘されています。

 『学生スポーツのアマチュア規定は幻想?(下)~米国の大学スポーツは人権侵害のカルテルか』などでも書きましたが、学生への対価の支払いを禁じた“アマチュア規定”を盾に全米大学体育協会(NCAA)が高収益のビジネスモデルを享受してきたことに対しては、人権侵害の違法なカルテルであるといった批判がなされてきました。NCAAの独善的なスタンスに対する風当たりがかつてないほど強まってきていた中で、NLRBは明確に“アマチュアリズムという幻想”を指摘した形になりました。

 今回は、NLRBの歴史的判断が及ぼす影響や、今後の展開、問題点など、アメリカ大学スポーツの未来について考えてみようと思います。

歴史的判断の影響範囲

 頭を整理するために、今回のNLRBの判断が先例として適用され得る影響範囲について考えてみましょう。「学生選手は労働者である」という解釈がすべての大学のあらゆる学生アスリートに適用されるわけではありません。

 厳密に言えば、今回の判断は「ノースウエスタン大学フットボール部」のみを対象にしたもので、それ以外には直ちに適用されません。あくまで個別の判断という位置づけですが、似たような条件下にある大学運動部が同様の訴えを起こせば、今回の判断が先例として適用される可能性は高いわけです。

 影響範囲を規定する条件として、最初に挙げられるのは「奨学金を受け取っている学生」に限定されるという点です。ノースウエスタン大学フットボール部には112人の部員がいましたが、そのうち奨学金を得ていた学生(つまり、スポーツ推薦で入学した学生)は85人で、残りの27人はこの判断の対象にはなっていません。

 また、労働者性を認められる前提として、その運動部がビジネスとして機能していることが認められる必要があります。現在、米国で多額のマネーを生み出す力を持っているのは、アメリカンフットボールと男子バスケットボールの2競技だけでしょう。

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「アメリカ大学スポーツの終わりの始まりか?(下)」の著者

鈴木 友也

鈴木 友也(すずき・ともや)

トランスインサイト代表

ニューヨークに拠点を置くスポーツマーケティング会社、「トランスインサイト」代表。一橋大学法学部卒、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)出身。スポーツ経営学修士。中央大学非常勤講師

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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