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「えっ! “妻の入院”で上司が左遷?」 ウソが招いた大惨事

バスを手配し忘れた元JTB社員がウソをついた訳

2014年5月13日(火)

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「あんなウソの手紙書くくらいなら、必死でバス探し回ったほうがよかったんじゃない?」
「つーか、バスの手配し忘れなんて起こるのか?」
「でもさ~、他人事じゃないよなぁ~」
「私もミスしちゃったら、ウソついちゃうかもしれない……」
「あれって、会社にも責任あるじゃない?」

 そんな意見が飛び交う中、例の元JTBの社員が偽計業務妨害容疑で逮捕され、会社からは解雇された。

 報道されている以上のことはわからない。だが、「もうちょっと別な方法で、どうにかできなかったのか」とつくづく思う。

 なんで、あんな危険なウソをついてしまったのか、と。

 念のため断っておくが、自殺未遂のウソの手紙で、ミスを隠そうとした元社員の肩をもっているのではない。悪いことは悪いし、犯罪は犯罪だ。ただ、人間って愚かだなぁ~って、思うわけです。

 バスの手配し忘れなんてありえないことを起こしてしまうのも、人間だし、自分のミスを隠そうと、ありえないウソをついてしまうのも、人間で。

 生涯一度もミスをしない人はいないだろうし、絶対にウソをつかない人もいないはず。少なくとも私は、ミスもするし、多少なりともウソもつく。「ミスをどうにかしなきゃ」とパニックに陥ったとき、悪魔が差し出した“藁”に「絶対に手を出さない!」と断言する自信もない。

 なんせ、悪魔の藁の魅力は、スーパーモデル級。どんなに傍からは、バレそうで、ヤバそうで、幼稚で、危険で、バカ! と言われそうなウソでも、当の本人の心を、「よし! これで大丈夫! ミスはばれない」といった、愚かな確信で支配してしまうのである。

 今から、8年ほど前、部下のついた「咄嗟のウソ」で大事件に巻きこまれた知人がいた。

 「ふざけるなとは思ったけど、ヤツを責める気にどうしてもなれなくてね。トホホって感じかな」

 彼は部下のウソのつけを払わされ、窓際に異動(当時はこの表現がしっくりくる時代でした)になったにも関わらず、部下を責める気にならないと語っていた。理屈だけじゃ割り切れない人間の弱さを目の当たりにし、そんな言葉がこぼれ出たんだと思う。

 そこで、今回は、「失敗とウソ」をテーマに、あれこれ書き綴ります。

プレゼンを寝坊した若手がついたウソ

 事件のきっかけは、新商品の役員プレゼン当日に、部下が犯した“失敗”だった。

 なんと部下は、会議に穴を空けた。プロジェクトリーダーとしてプレゼンをする予定だったにも関わらず、ドタキャンしてしまったのだ。

 しかも、その理由が、“寝坊”というのだから、言い訳のしようがない。それでも、ひたすら謝りまくれば小事件くらいで終わったはず。ところが、部下は自らの失敗を、ウソで隠した。

 「今朝、妻が突然倒れて救急車呼んだり、てんやわんやだったもんで、連絡もできなくて申し訳ありません」

とんでもないウソをつき、寝坊という失態を隠したのである。

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「「えっ! “妻の入院”で上司が左遷?」 ウソが招いた大惨事」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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