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「部下はお客サマ?」 感情を切り売りする上司の憂苦

上司に求められる部下への“本物の感情”

2014年7月1日(火)

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 「どけよ、ババァ!」――。
こんな暴言を吐いて、逮捕された男がいる。

 飛行機の中で、携帯電話の使用をめぐりトラブルとなり、
「切ってるだろ! どけよババァ!」
「お前らぶざけんなよ!」
「うっせーな!」
と、機内に響き渡る声でCA(客室乗務員)を罵倒したのである。

 といっても、この事件が起きたのは、今から7年前の2007年。

 この年は世界的にも、旅客機内の乗客が暴言を吐いたり、暴力を振るったりする迷惑行為が問題になり始め、深刻な事態と認識した国際航空運送協会(IATA)が、報告件数の統計を取り始めた年でもある。

 そして、先日。

 2007年から2013年までの間に、「2万8000件を突破する迷惑行為が報告され、迷惑行為は増加し続けている」とのまとめをIATAが出した。

 また、ロンドンでは、“迷惑行為”問題について話し合う国際会議が開かれ、「迷惑行為は少なく見積もっても週300~400件に達している」とし、同会議主催社幹部のフィリップ・バウム氏は、
「実際は、報告されないケースが多く、これらは氷山の一角に過ぎない。ほとんどの航空会社は、実態を明らかにしたがらないのが現状である」
と、コメントしている。

 「感情労働」(emotional labor)――。

 最近、この言葉をやたらと雑誌などで、目にすることが増えたが(このコラムでも、過去に何度か取り上げている)、CAの職務特性は、代表的な感情労働である。

 1970年代に米国の社会学者のアーリー・ホックシールドは、客室乗務員たちの労働状況を分析し、
「彼女たちは自分の仕事を愛し、『楽しんでいる』ように働き、乗客も『楽しかった』とフライトを満喫するように努めることが、彼女たちの仕事の生産物となっている」 とし、“感情”を自分から分離させ、感情それ自体をサービスの一部にする、感情労働という概念を示した。

 感情労働では、たえず相手の要求や主張、クレームを受け止め、たとえそれが理不尽なものでも、自己の感情を押し殺し、穏便かつ的確なサービスを提供しなければならない。“感情の疲労”は、単に体を休めただけでは回復しないので、企業は徹底したケアを感情労働者たちにすべきであると、ホックシールドは訴えたのである。

CAなら「法律ですから」とピシャリと言えるが……

 ところが、である。知人の男性が飛行機で、CAに厳しく、叱りつけられた。

 「法律で決まってるんで、切ってください!」
 ドアクローズしたことに気付かず、タブレットを開いていた彼に、CAは、ピシャリと厳しい口調で叱責したのである。

 「一瞬、おまわりさんが来たのかと思ったよ(苦笑)。“法律で決まってます!”なんて言われたら、ぐうの音も出ない。いきなり怒られて、びっくりしたし、一瞬、カチンときちゃった。でもさぁ、ああやって、厳しくピシャリと言えるのって、ちょっとうらやましかったなぁ。だって、私ら中間管理職には、できないこと。中間管理職って、究極の“感情労働”だよね~」
 そうこぼしたのである。

コメント9件コメント/レビュー

“法律で決まってます!”変わる言葉は“給料もらってるんだろ?”で充分です。付け加えるなら“昨年より給料はわずかでもUPした分、仕事の成果も去年より向上させろよ”と言えば 他に言うことなし!!  世の中の上司諸君。何を恐れるのか。部下を育てるなんてことを考えてはいけません。組織は学校と違う。世の中は真剣勝負です。勝負をかけるためには、日ごろから道場で竹刀を振り回し自ら鍛錬しなければならない。稽古もしないで勝負に出た輩は一刀両断 ばっさりやられるのは当然なことです。(2014/07/01)

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「「部下はお客サマ?」 感情を切り売りする上司の憂苦」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

“法律で決まってます!”変わる言葉は“給料もらってるんだろ?”で充分です。付け加えるなら“昨年より給料はわずかでもUPした分、仕事の成果も去年より向上させろよ”と言えば 他に言うことなし!!  世の中の上司諸君。何を恐れるのか。部下を育てるなんてことを考えてはいけません。組織は学校と違う。世の中は真剣勝負です。勝負をかけるためには、日ごろから道場で竹刀を振り回し自ら鍛錬しなければならない。稽古もしないで勝負に出た輩は一刀両断 ばっさりやられるのは当然なことです。(2014/07/01)

>数年前に辞めた部下が、“パワハラされた”と、裁判を起こしてくることもあるこれは弁護士事務所がアホな相談をシャットアウトせず、小遣い稼ぎする為に「じゃあ訴訟しましょう」と誘導する事に起因している。彼らにとっては勝ち負けは問題ではなく、マニュアルに沿って片手間に対応しておけば、最低限の手数料だけはせしめられるわけだ。従って訴訟額は高額となり、謂れのない訴えを起こされた被告側の精神的苦痛は二次関数的に増加する。(2014/07/01)

まったくもってこの記事は、自分自身。同志よ。。(2014/07/01)

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