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「困った時は女性頼み!?」 “頭数”狂想曲に翻弄される経営者たち

30%という目標は否定しないが、ニンジンは要らない

2014年8月26日(火)

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「おい! これじゃダメだ。あと1人、社外のヤツでも構わんから女性を役員に入れろ!」
「おい! これじゃ評価ポイントが上がらん。40以上の女性は全員部長にしてしまえ!」
「おい! これじゃ入札できん。中途採用でもなんでもいいから女性技術者を入れろ!」

 こんな“騒ぎ”が、アナタの会社で起きていないだろうか?
 もし、まだ何も起きていなければ、今後起きるかもしれない。

 なぜって?
 そりゃあ“女性”の頭数を揃えるだけで、莫大なおカネが手にはいるかもしれないから。

1.「女性登用に向けた目標を設定し、目標達成に向けた自主行動計画の策定」
2.「有価証券報告書における女性役員比率の記載」
3.「公共調達における女性活用企業の適切な評価」

 これらはいずれも、6月に改訂した成長戦略で閣議決定した、女性活用企業にインセンティブを与える具体的な取り組みである。

 つまり、「2020年に指導的地位に占める女性の割合を30%にする」ために、企業への「要請」レベルが、ニンジンをぶら下げる施策に進化した。女性の“数値化”時代、到来なのだ。

 もちろんこれらの動きが、「よっし! チャンスだ!」と女性たちを元気にさせる“風”になることは間違いない。今まで「女性」という理由だけで外された女性たちのためになるものであれば、喜ばしいことだし何ら問題はない。

 だが、現実はもっと複雑。で、ちょいとばかりいやらしい。なんせ莫大なカネに“女性”の頭数が、直接的に影響を及ぼすのだ。

「女性役員を増やせ!」
「ムリです。候補者が社内にはいません」
「だったら、社外でいいじゃないか! ホラ、あの◯◯さんでいいじゃないか!」
「でも、彼女は△△商事の社外取締役だと思うのですが…」
「兼任してもらえばいいだろう!」
「わ、わかりました……」

  なんて具合に、かけもち社外取締役がますます増える。社外取締役を生業にする役員“タレント”の登場は、本当に女性活用なのだろうか。……。多いに疑問だ。

 また、「公共調達における女性活用企業の適切な評価」では、これまで対象外だった公共事業も含まれるようになる。

 既に、国土交通省では、女性技術者を配置していなければ、“入札できない”女性登用型のモデル工事を進めており、その第1弾が、東北地方整備局が山形県の東根地区上部の橋梁上部工工事に適用された(6月9日入札告知)。

 その落札価格。およそ2億円。今後も全国で計10件程度を試行するのだという。

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「「困った時は女性頼み!?」 “頭数”狂想曲に翻弄される経営者たち」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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