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「同情するなら楽しんでくれ!」 全米テニス覇者が嘆いたニッポンの謬見

「特別なまなざし」を捨て障害者と共生できる社会に

2014年9月16日(火)

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 「ボクの願いはたった1つなのです。この競技を1つのスポーツ競技として見て欲しい。パラリンピックを純粋にスポーツだと評価し、楽しんでくれるお客さんで競技場を埋め尽くしたい。ロンドンパラリンピックは、ファンが純粋にスポーツを楽しむ感覚で観ていたからこそ大成功を収めた。ボクが金メダルを取っても、日本ではテニス選手として評価されるんじゃなくて、障害者が車椅子テニスをしてまで前向きに頑張っているのが偉い、感動する、と言われてしまう。どこか同情の対象なんですね」(室伏広治選手×国枝慎吾選手トップアスリート対談!

 これは国枝慎吾選手が、昨年、語っていたこと。先週、日本中が熱狂したテニス全米オープンの車いすの部で、4度目の年間グランドスラムという偉業を達成したスーパースターだ。生涯4回の年間グランドスラムを達成したのは、世界でも国枝選手が初めてという、前人未到の快挙だった。女子の部では上地結衣選手も初優勝している。

 「パラリンピックを純粋にスポーツだと評価し、楽しんでくれるお客さんで競技場を埋め尽くしたい」――。

 ズンっと、胸に刺さる言葉だ。

 かつて朝の情報番組をやっていたときに、高橋尚子選手が金メダルをとったシドニーオリンピックがあり、
「パラリンピックも同じように、毎日、選手たちの活躍を伝えよう!」 ということになった。

 当時、私はお天気とスポーツを担当。知っている選手は、水泳の成田真由美選手くらいで、ちゃんとお茶の間に伝えられるか不安だった。

 いや、誤解を恐れずに打ち明けると、
「どうパラリンピックを見ればいいんだろう…」と、
内心オロオロしていたのだ。

 理由は簡単。それまでちゃんと見たことがなかったから。どんな風に戦いが行われているかが、全くイメージできなかったのである。

 が、最初に見た柔道66kg級の藤本聰選手や、車いすのバスケットボールの熱闘で、不安な気持ちが吹き飛んだ。

 「普通に見ればいいんだ!一流のアスリートの戦いは楽しい!」
そんな当たり前のことを思ったのである。

 そして、今回。乙武さんがツイッターで「錦織圭選手の快挙は、たしかに凄い。でも、周囲がヒートアップするほど、『なぜ、国枝慎吾選手はそこまで騒がれないのだろう』と疑問に感じる」とつぶやいていたけれど、確かにメディアの扱いは小さかった。

 「こちらの偉業も忘れてはいけません!」なんてありきたりのアナウンサーのコメントと共に、“とりあえず”報じていたけれど、その扱いは錦織選手と比べると雲泥の差。純粋にテニス選手として評価し、熱戦を楽しんだとは言い難いものだった。

 日本の記者がフェデラー選手に「なぜ日本のテニス界には世界的な選手が出てこないのか」と聞くと、

 「何を言っているんだ君は? 日本には国枝慎吾がいるじゃないか!」
と答えたという逸話が、ネットでシェアされまくっていたが、なぜ、国枝選手を「テニスの選手」と普通に評価できないのだろう。

 「日本人は障害者に冷たい」――。そう言いたくもなる。

コメント11件コメント/レビュー

障害者です。前職の会社(大手企業)では、障害者というだけで、毎日が単調な仕事しかもらえませんでした。あれをやりたいと上司に訴えても障害があるからできないだろうと思っているのか、何も新しいことにやらせてもらえませんでした。その結果、何年かすると、だんだん自分がおかしくなり「何のために会社へ行っているのだろうか?」と考えるようになり、生きがいをなくし、死にたいと思ったこともありました。ある日に上司から叱られたとき、慟哭的にその場で「会社を辞めたい!」と思わず口を出してしまい、数日して退職しました。現在は、別の会社に転職し、その職場はアットホーム的な感じで生きがいを充実しています。(2014/09/16)

「河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学」のバックナンバー

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「「同情するなら楽しんでくれ!」 全米テニス覇者が嘆いたニッポンの謬見」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

障害者です。前職の会社(大手企業)では、障害者というだけで、毎日が単調な仕事しかもらえませんでした。あれをやりたいと上司に訴えても障害があるからできないだろうと思っているのか、何も新しいことにやらせてもらえませんでした。その結果、何年かすると、だんだん自分がおかしくなり「何のために会社へ行っているのだろうか?」と考えるようになり、生きがいをなくし、死にたいと思ったこともありました。ある日に上司から叱られたとき、慟哭的にその場で「会社を辞めたい!」と思わず口を出してしまい、数日して退職しました。現在は、別の会社に転職し、その職場はアットホーム的な感じで生きがいを充実しています。(2014/09/16)

障碍者を「障碍者」として特別扱いするからおかしな話になる。障碍者も一人の人。ただハンディキャップを持つだけ。基本的にはそのハンディキャップを周囲が埋めるまでが必要な行為で,それ以上は必要ないし本人にも失礼ではないだろうか。  「一人の人」という観点からすると,河合氏も書かれているように,過剰な要求をするわがままな人もいるだろう。というか,要するに普通の人と変わらず善人もいれば悪人もいる,非常に自立した人もいれば依存心のかたまりのような人もいる。悪人は罰しなければいけないし,依存心のかたまりの人は窘めなければいけない。障碍者を特別視するから,そういう当たり前のことができないのではないだろうか。もっとニュートラルに障害を持つ人たちを見るべきだと思う。(2014/09/16)

この国は障害者に冷たいのではなく、もっと純粋に、単純に、能力の低い人に冷たいだけと思いますが。障害者の方々はむしろ優遇されていますよ。障害者だからって障害者年金もらえるでしょ。障害を認められない弱者が、飢え死にしているような状況下にあって。生活保護を受けられない弱者が、生活保護よりも少ない年収から、健康保険に強制加入させられ、食費を搾取される状況下にあって。貧困世帯の、給食しか食べられないような子供たちの方がよほど可哀想。この国にあるのは障害者の問題ではなく、障害者を含めた弱者に人権を認めない問題です。障害者だけが差別されて悪い意味で特別あつかいされてると考えるのは大間違い。あるのは逆差別ですよ。障害者が特別あつかいされない社会をと言うなら、障害者を特別あつかいしないことです。障害者年金の停止とか、当の障害者の皆さんこそが、一番、いやがるのでしょうけど。個人的には、ベーシックインカムを導入すればいいと思います。差別なくなりますよ。差別しなければいいだけ。会社でいじめられるのなんてね、障害者じゃなくっても、弱者なら、競争力に劣る人間なら、おんなじ。いじめにあって会社に行けなくなる『元健常者』がどれだけいるか知りませんか? ずるいよね、障害者なら、年金で暮らすことにして、会社に行かなきゃいい。健常者は同じ痛みの中で、首吊るしかない。(2014/09/16)

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