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突然の事態に有効な「分散型リーダーシップ」の作り方

修羅場型人材の評価がポイントに

2014年9月22日(月)

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 中国・天津で行われた通称サマーダボス(Annual Meeting of the New Champions 2014)に参加してきた。李克強首相のオープニングスピーチで始まった今年の会議で、印象に残ったのは、スコットランド分離問題への関心の高さだ。これは、英国の国内問題としてだけではなく、世界の他の地域への波及効果の大きさを懸念する視点からのものだ。

 リスクに関する専門家からなる非公式会合にも参加させてもらったのだが、英国およびEUへの経済的混乱・悪影響を心配する向きに加えて、ウクライナ問題との連関、あるいは、カタロニアやケベック、さらには中国の少数民族自治区での分離独立運動に刺激を与えるのではないか、という声が、様々な国の参加者から聞かれた。

 中東でのイスラム国(ISIS)の台頭、そしてウクライナ問題。グローバルな地政学リスクが明確に高まってきている中で、さらに不安定要素を増やすきっかけになるのではないか、という見方だ。国家レベルの安全保障という観点からだけではなく、企業にとっても、直接のビジネスリスク以外のリスクが、ますます重要になってきていることを感じさせる話だったと思う。

リーダーシップが組織の末端にある

 さて、前々回からシリーズで、広義のリスクマネジメント力を高め、「リスクアドバンテージ」(リスクをよりうまく取り扱うことによる競争優位性)を築くには、という趣旨の記事を書いてきている。前回には、シナリオなどを活用して、リスクをどう事前に認識するか、という話を中心に述べてきた。

 今回は、地域紛争なり天災なりのリスクイベントが発生した場合に、どうすればより適切に組織が行動して、損害などのマイナスインパクトを減らせるか(ないし、環境の激変の中で、プラスのインパクトを生み出せるか)、ということを考えてみたい。

 まずは「分散型リーダーシップ(distributed leadership)」について。

 東日本大震災の際に、釜石の小中学生の99.8%が無事であったという、いわゆる「釜石の奇跡」の話はあちこちで報道されているので、多くの方がご存じであろう。「釜石の奇跡」が教えてくれる教訓や学びは数多いが、組織論・意思決定論として見た時に顕著なのは、「『逃げる』という意思決定を生徒自身が主体的に行った」という事実だ。

 これは、通常の組織のリーダーシップのあり方とは異なっている。環境の大きな変化、この場合は大震災と津波、という状況の中で、通常のリーダーシップのあり方ならば、組織の長が状況を判断し、いかなる行動を取るべきかについて意思決定する。そして、組織の構成員はそれを待った上で、意思決定内容に従って行動する、ということになる。トップダウン型のリーダーシップのあり方、といってもよかろう。

 しかし、釜石の場合、(以前にも書いたが)例えば釜石東中学校の生徒たちは、全員の点呼が終わった段階で、自分達の判断で走り始めたという。これは言いかえれば、リーダーシップが組織の末端にある、ということだ。

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「突然の事態に有効な「分散型リーダーシップ」の作り方」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCGシニア・パートナー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経て現在に至る。事業戦略、グループ経営、M&Aなどの戦略策定・実行支援、経営人材育成、組織能力向上などのプロジェクトを手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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