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「海の京都」で知った地域おこしの本質

避けては通れないコンパクトシティー化

2014年10月14日(火)

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 「海の京都」をご存じだろうか。「京都」と聞いて思い浮かべるイメージとして、海の情景はなかなか浮かんでこないのだが、考えてみれば、京都府は日本海に面している。松島、宮島と並ぶ日本三景の一つ、天橋立は京都府宮津市にあるし、第二次大戦後の引揚港で、今は外航クルーズ船が発着する舞鶴も京都府である。

 神社仏閣、五花街と芸舞妓、そして京料理。こういったアイコンと京都のイメージがわかちがたく結びついているため、同じ京都府内であるにもかかわらず、北部の海に面した地域は「京都ブランド」や「京都ブーム」の恩恵を被ることが難しく、どうしても地域のイメージが埋没してしまう。

 こういった課題意識から、地元の有志と京都府が中心になって、「海の京都」という打ち出し方で、地域おこしをしようという試みが、ここ数年行われてきているのだ。

 実際に、「海の京都」ブランドが知名度を得るような例も出てきている。地元の足である北近畿タンゴ鉄道では、JR九州の豪華寝台列車「ななつ星」を手掛けた水戸岡鋭治氏の手になる「あかまつ」「くろまつ」「あおまつ」という車両が導入され、たびたび報道がなされている。

 観光キャンペーンや広報の甲斐もあってか、与謝野町の伊根の舟屋(海から直接アクセスできる船置きが階下にあり、二階は住居になっている建物)が、観光名所としてテレビ番組などで取り上げられる例も増えてきているようだ。

京都府幹部の印象的な発言

 ところが最近、「海の京都」を手掛けている京都府の幹部の方に、お話を伺う機会があったのだが、その中で印象的な発言があった。

 「こういった『仕掛け』だけでは、本当に持続的な地域おこしにはならない。まずは、地元の方々が本当に地域のことを好きになること。もっと言えば、自分の子供たちに、『東京や大阪に出ろ』と言うのではなく、自信を持って、『地元に残れ』と言えるようになることが不可欠だ」という内容だ。

 これは、なかなか本質を突いているような気がする。小山薫堂さんが熊本で「くまモン」のキャンペーンを始めた時、最初に手掛けたのも、熊本県民自身が熊本の良さを再発見するというビデオ作りだったという記憶がある。地元の方々が、地元を愛する。それが地域内部での「何かをやろう」というネットワークを作り上げ、強くしていく。

 多くの地域で、一過性の話題作りの仕掛けがそれだけで終わってしまうのは、しつこくやり続け、仲間の動きを相乗作用で強めていく「地域内部での運動ネットワーク」が欠けているケースが多いように見受けられる。こういうネットワークの背景にある「気持ち」を端的に表したのが、「自信を持って、地元に残れと言えるかどうか」という言葉なのだろう。

「御立尚資の帰ってきた「経営レンズ箱」」のバックナンバー

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「「海の京都」で知った地域おこしの本質」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCG シニア・アドバイザー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経てボストン コンサルティング グループ(BCG)に入社。BCG日本代表、グローバル経営会議メンバー等を歴任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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