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「直感に頼るのは愚か者?」 中村修二氏の怒りとオトナへの警句

人間の直感こそ常識に囚われない根源的で自由な思考

2014年10月14日(火)

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 “夢の青い光”を創りだした3人の化学者たちが、ノーベル賞を取った。すごい! 自分がいつも使っているモノを創りだした人たちの受賞なので、なおさらそのすごさが実感できる!

 小柴先生のときには、何度説明されてもどれだけ大きな窯を見せられても、ちっともニュートリノが理解できなかったし、小林先生と益川先生のときには、素粒子というものがとにかく一番小さいってことはわかったけど、「で?」という域から脱することができなかった。ノーベル化学賞の田中耕一さんとは対談までさせていただいたのに、やっぱり最後まで何だったのかわからずじまい。なんとも情けない。

 だが、今回は、LED。アノ青い光だ! 家にあるし、胸ポケットの中にもある(私の場合はお尻のポケットですが…)! って、携帯にLEDが使われているのは今回初めて知ったのだが……。

 「幻想的な月の灯りと、青い光のコラボですね!」と興奮気味にはしゃいでいたテレビキャスターのコメントは、私にはよくわからなかったけど、青い光が都会的で近代的な感じがするのは、20世紀中には無理と言われたものを見ているからなのだろうか(嗚呼、この私のコメントもわからないですね……)。

 いずれにしても、称賛と共にメディアでは例のごとく「切り出したモノ」が飛び交っている。キャッチーな言葉やエピソード。それだけが一人歩きすると、ときにめんどくさいことになる。

「これでまた、好きな仕事を探す学生が増えるぞ」
「僕は流行りの仕事はやりたくないです! なんて部下に仕事拒否されたりして」
「やりたい仕事ができないからって辞めるヤツ増殖!」
「電話にも出ない? ただでさえ電話に出ないヤツが多いのに……」
「会議をサボる輩も増えたりして」

 そんなことを思った人も多かったかもしれない。

 ただ、私は、「流行りのものをやるのでなく、やりたいものをやりなさい」という赤崎教授の若い研究者に向けたメッセージは、若者というより、今の日本の大学やキャリア教育、日本社会に向けたメッセージだったと受け止めた。目に見える成果ばかり求めていいのか。短期的な結果ばかり追いかけすぎてはいないか、と。

 でも、おそらく当の“本人たち”はそんな風に受け止めず、「やりたいこと探しキャリア教育」「成果命社会」は、ますます過熱するに違いない。

 そして、その勘違いの刃は若者たちに向けられるのだ。

 先月から後期の講義が始まり、既に2年生たちが「やりたいこと探し」に疲れ、「自分の強み探し」に苦悩していて、なんだか可哀そうになった。必死に就活本を読み、キャリアセミナーに参加し、ネットで情報を得て……。まだ、2年生なのに、大学生活を楽しむ間もなく、就活に囚われ、自信を失い、やる気をなくしていた。大学は就職予備校か?

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「「直感に頼るのは愚か者?」 中村修二氏の怒りとオトナへの警句」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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