• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

コンパクトシティー化を前進させるために必要な視点

医療機能の配置・再構築の議論を急ごう

2014年10月27日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 前回に「コンパクトシティー作りが待ったなしだ」という話を書かせていただいた。出生率の向上、あるいは高度人材の海外からの呼び込み、といった手を打ったとしても、日本の人口が一定程度減少していくことは間違いない。その中で、より少ない生産年齢人口で社会インフラを支えていく上では、一定の機能集約が避けられないと考える。

 コンパクトシティーの例としてよく挙げられる富山市の場合、2005年の市町村合併前の人口はほぼ30万人だったが、合併後には40万人を超えている。このためか、コンパクトシティーというと30万人程度の中核都市に周辺自治体を集約させる、というイメージで語られることが多いように思える。

 ただ、コンパクトシティーのコンセプトを広く実行していこうとすると、このモデルだけでは立ちいかない。

 例えば、前回ご紹介した「海の京都」の場合、舞鶴市、京丹後市、など相当広域にわたる地域全体で30万人前後の総人口だ。今後の減少を考えても、風土・歴史・文化も少しずつ異なるこれらの地域をすべて1カ所にまとめるというのは、土台無理な話だろう。

 恐らくは、3~4カ所程度の医療、教育、買い物を中心とした地域拠点を作り、各拠点から一定範囲内をオンデマンド・バスのようなローカル公共交通で結ぶ。一方、拠点間は、鉄道ないし路線バスでつなぐのが、効率的だろう。ミニコンパクトシティー群が一体となって存在するというイメージだ。

拠点ごとに「得意技」を持つことが必要に

 さて、こういったモデルの場合、各拠点がすべての機能を持つのだと、効率性が保てない。拠点ごとに、機能のうちどれかについて、高度なものを担う「得意技」を持つ、ということが必要となるだろうと思える。

 特に、地域の方々にとって、コンパクトシティー化、すなわち都市機能の集約化に対する不安や反対要因の大きな部分を占める医療機能をどう再配置していくかが、このモデルを実現させる上で重要なポイントになる。

 医療の場合、近くにあると便利という類の話と、一定時間以内に適切な治療を受けることが生死を分けるという話を切り分けて考えることが大事だと思っている。

 前者については、税金という形でのコスト負担と利便性とのバランス、そして高齢者等の「足の確保」という議論を詰めていくことが可能だ。

 しかし、後者については、そうはいかない。(少なくとも、日本では)コンパクトシティー構想の場合でも、拠点から離れて住む選択をした人々を強制的に移住させるわけにはいかない。その中で、一定の拠点集約、さらにはミニコンパクトシティー間での機能分担、という議論を具体的に進めていくと、「離れた地域の人たちを見捨てるのか」という反論が必ず出てくる。

コメント0

「御立尚資の帰ってきた「経営レンズ箱」」のバックナンバー

一覧

「コンパクトシティー化を前進させるために必要な視点」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCGシニア・パートナー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経て現在に至る。事業戦略、グループ経営、M&Aなどの戦略策定・実行支援、経営人材育成、組織能力向上などのプロジェクトを手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック