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“闇の人事制度”と“女性が輝く社会”のいびつな関係

男女に関係なく、理想とする働き方を考え直そう

2014年10月28日(火)

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 闇の人事制度――。

 事務職の社員をイ、ロ、ハ、ニ、ホの5段階で評価し、男性は学歴などによってイからニまで4段階に分類されるのに対し、女性は仕事ぶりにかかわりなく、すべて最低ランクのホ。どんなにがんばっても、どんなにスキルを磨いても、「女」である限り評価されない。にわかに信じがたい、社内の一部の社員たちだけに共有されていた“闇”の人事制度が存在する。

 こんな男女差別を巡る“事件”があったことを、覚えているだろうか?

 事件の発端は、1995年8月に勇気ある女性たちが“声”をあげたことだった。住友金属工業に25年以上勤める4人のベテラン女性社員たちが、男女差別があるとして集団提訴に踏み切ったのである。

 同時期に高卒(事務職)で採用された男性の97.6%が管理職一歩手前の「管理補佐職」まで昇進し、そのうち多くが管理職に昇進しているのに対し、女性の大半は、30年以上勤務しても「管理補佐職」から3ランク以上下の「専門執務職」。年収の格差は年々、大きくなり平均して250万円以上もある。「これは明らかな男女差別である」と、怒りの拳を振り上げた。

・新婚旅行から帰ってきたら、机が地下の廃棄物置き場に捨てられていた。
・産休明けに出勤すると、上司から「犬や猫でも自分で子どもを育てているのに、子どもを保育所に預けるとは犬に劣る」と罵倒された。

 裁判では、こんな女性に対する卑劣ないじめの実態も、明らかにされた。

 そして、提訴から9年半という長い審理を経た2005年。大阪地方裁判所は、住友金属工業が、違法な男女差別により事務職の女性従業員4名に損害を与えたとして、6311万2000円の損害賠償金支払いを命じる原告勝利判決を言い渡した。

※控訴審では、原審を上回る7600万円の解決金の支払いと、在籍中の原告3名を含む女性労働者の処遇について十分な配慮を行っていく約定を主な内容として、2006年4月に和解解決した。

 女性たちは見事、勝訴したのだ。
 それは、「女だから」という理由で取り上げられていた「機会」を、“女性”たちが手に入れた歴史的瞬間でもあった。職場での女性たちの戦いの歴史は、この機会を手に入れるための戦いであり、闇の人事制度はその象徴だったのである。

 闇の人事制度の存在が暴かれてから10年……。当時は予期しなかったような「機会」を、女性たちは手に入れている。それは、先週立て続けに起きた“事件”からもうかがい知ることができる。

 数値目標達成のために、ある日突然与えられる“数合わせ的機会”や、「女性活用してまっせ!」をアピールしたいだけの“ショーケース的機会”、さらには「差別を受けている」と女性たちが声をあげやすくなった“提訴的機会” だ。

 そこで今回は、「機会と未来」について考えてみようと思う。 

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「“闇の人事制度”と“女性が輝く社会”のいびつな関係」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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