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ダボス会議が「ジオエコノミー」の委員会を設けた背景

地政学的視点、安全保障的視点を持つための基本的知識を学ぼう

2014年12月1日(月)

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 貿易交渉は、常にポリティカルなものだ。参加各国の国内利益関係者の思惑を反映せざるを得ないがゆえに、それぞれの国内政治状況に強く影響される。

 しかし、アジアの地域自由貿易協定は、単にポリティカルなだけでなく、地政経済的(ジオエコノミー=geo-economy)な要素を強く持ちつつあり、欧州域内、米州域内のものとは大きく異なる。

 私事ながら、世界経済フォーラム(ダボス会議)の有識者会議で参加する専門委員会が、これまでの日本に関する委員会からgeo-economyの専門委員会に変更になった。geo-economyとは、地政学(geopolitics)と経済(economy)の相互関係を表す言葉だ。近年の地政学リスクの高まりが、世界経済にも大きな影響を与えつつあるという課題意識で、この専門委員会が今年新設された。

 先立ってその第一回会合がアラブ首長国連邦のドバイで行われた。議論の中で、今後注視すべきトレンドとして、「新冷戦(new cold war)」の進展などと一緒に、アジアの地域貿易協定のgeo-economy的側面が挙げられた。

アジア諸国が迫られている難しい選択

 ご承知の通り、アジア・太平洋地域での域内貿易協定には、現在3種類の主要な枠組みが存在している。

 まずは、TPP(環太平洋経済連携協定)。日本・米国を含めた12カ国の間で、交渉が行われているが、これには中国は含まれていない。

 そして、RCEP(アールセップ=東アジア地域包括的経済連携)。ASEAN(東南アジア諸国連合)加盟10カ国と、ASEANとFTA(自由貿易協定)を結んでいる6カ国の計16カ国の間で、交渉が続いている。いわゆるASEAN+6という枠組みで、中国は含まれているが、米国は含まれていない。

 最後にFTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)。これはAPEC参加国を包括的にカバーしようという意欲的な枠組みで、米・中両方が含まれているが、具体的な交渉には入っておらず、いまだ構想段階の域を出ていないと言ってもいいだろう。

 こう見ていくと、将来のFTAAPの可能性をにらみつつ、多くのアジア諸国は、米国の強い影響があるTPPと、中国の強い影響があるであろうRCEPのどちらを重視し、実際に参画すべきかを迫られているということにもなる。

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「ダボス会議が「ジオエコノミー」の委員会を設けた背景」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCGシニア・パートナー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経て現在に至る。事業戦略、グループ経営、M&Aなどの戦略策定・実行支援、経営人材育成、組織能力向上などのプロジェクトを手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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