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サラリーマンに定年とは「死」そのもの

養老孟司×隈研吾 日本人はどう死ぬべきか? 第4回

2014年12月26日(金)

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(前回から読む
昆虫の研究のためにアジアの秘境にも出かけていく養老先生。建築の仕事のために世界を飛び回る隈さん。お互い飛行機に乗る恐怖はないものの、養老先生の理想は「ラオスに死す」。一方、隈さんは巨大な建築を建てた偉大な建築家が、晩年を過ごしたひっそりとした小屋に憧れを抱きます。連載第4回です。

今回の対談は「死」についてがテーマでしたが、前回はどんどん「葬礼文化」についての話になりました(笑)。

養老:いや、「死」そのものについては語ることがないんですよ。だってそれは、あるようでないようなものだから。共同体から言えば、誰かがいなくなるということですけど、本人から言えば関係ないんだもの。自分が死んでも困る自分はもういないよ。

隈さんもそう思いますか。

:まあ、そういうふうに思わないと、毎日、転々と国境を越えて、日替わりで違う国で仕事をしていく、なんていう日々は送れませんよね。

なるほど。では、養老先生は、こういうお墓に眠りたいという願望はありますか。

養老:それも全然ないよ。どういう死に方がいいかと聞かれたら、ラオスに昆虫採集に行って、飛行機が落っこちるのが一番いいかな、ぐらいかな。よく落ちるんだよ、ラオスは。去年は2回落ちたの。知っている? 

いやいや、全然知りません。

養老孟司(ようろう・たけし)
1937年、鎌倉市生まれ。1962年、東京大学医学部卒業後、解剖学教室へ。1995年より同大名誉教授。著書に『からだの見方』(サントリー学芸賞)『人間科学』『唯脳論』『バカの壁』(毎日出版文化賞)『死の壁』『養老孟司の大言論』『身体巡礼』など、隈研吾との共著に『日本人はどう住まうべきか?』がある。(写真:鈴木愛子、以下同)

養老:俺がよく乗るラオス国営航空の飛行機が、4月にサムヌアからビエンチャンに帰る途中で離陸直後に落っこちた(死者ゼロ)。同じ年の秋には、メコン川に定期便が墜落したし(死者49人)、今年は軍用機が落ちました。軍用機には政府要人が何人か乗っていたんだけど、まとめて死んじゃった。

 今年はマレーシア航空機の消失がありましたが、俺はあの前と後に、マレーシアに行っているんですよね。

隈さんも路線バスに乗るかのように、国際線の飛行機にしょっちゅう乗っていらっしゃいますが、ああいうニュースをご覧になっていかがですか。

:別に何とも思わない。

そうなんですか?

養老:そうなんですよ、ああいうものは。俺だって何とも思わない。起こった時のことなんですよ。だってパイロットとかフライトアテンダントとかは年がら年中乗っている。

今までお仕事なり何なり中で、ああ、危なかったな、ということはないんですか。

:それも別にないですね。

お若い時、タイから成田空港に到着した途端に救急車で運ばれた、という事件がありましたよね。

実は怖いプライベートジェット

この連載が本になりました。『日本人はどう死ぬべきか?』2014年12月11日発売。解剖学者と建築家の師弟コンビが、ニッポン人の大問題に切り込みます。

:それは肺炎にかかっていて、自分で気が付かなかったから。そんなことも、別に何でもないですよ。それで言うと、僕はプライベートジェットがすごく怖い。

プライベートジェットをお持ちだったんですか。

:もちろん自分のじゃなくて、金持ちの仕事をした時に乗せられるやつです。金持ちとの仕事では、プライベートジェット率がものすごく高いんですよ。

プライベートジェットって、乗ったことがないから想像ができないんですけど、どんなものなんですか。

:その金持ちのレベルによって、いろいろあります。金持ちの中でも貧富の差がありますからね(笑)。

コメント3

「養老孟司×隈研吾 「ともだおれ」思想が日本を救う」のバックナンバー

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「サラリーマンに定年とは「死」そのもの」の著者

清野 由美

清野 由美(きよの・ゆみ)

ジャーナリスト

1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。2017年、慶應義塾大学SDM研究科修士課程修了。英ケンブリッジ大学客員研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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