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早死したくないなら「仕事に本気にならない」ことだ

養老孟司×隈研吾 日本人はどう死ぬべきか? 第5回

2015年1月9日(金)

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日本社会において血縁共同体の代わりを担った「サラリーマン共同体」。だがそれには、「死」に対しては無責任であるという欠点があった。「定年=死」という生き方を回避するための秘訣は「仕事に本気にならないこと」と養老先生は説く。「日本人はどう死ぬべきか?」最終回です!

今回の対談は、私たちにとって切実な未来である「死ぬこと」について語っていただいています。養老先生、隈さんの共通したご意見は「死ぬことを考えるのは無駄」ということでした。

 そこまで達観できればいいのですが、「日経ビジネス オンライン」の読者の方々には、40代から60代男性の自殺率の増加などは、身につまされることも多いのではないかと思います。

養老:自殺は、それぞれの国によって特徴があるんですよ。

:そうなんですか。

養老孟司(ようろう・たけし)
1937年、鎌倉市生まれ。1962年、東京大学医学部卒業後、解剖学教室へ。1995年より同大名誉教授。著書に『からだの見方』(サントリー学芸賞)『人間科学』『唯脳論』『バカの壁』(毎日出版文化賞)『死の壁』『養老孟司の大言論』『身体巡礼』など、隈研吾との共著に『日本人はどう住まうべきか?』がある。(写真:鈴木愛子、以下同)

養老:自殺の原因には世界的、人類的な傾向というものがあるんです。だいたい、一人当たりGDP(国内総生産)の増加と比例して自殺が増える。日本では働き盛りの中年男性の自殺が多いけれども、中国では若い女性の既婚者の自殺が多いんです。

:死を選ぶ理由は何なんですか。

養老:抗議の自殺ですね。嫁さんがだんなの家族に抗議して死ぬんだ。

儒教的な考え方の中で、嫁が人間扱いされないということでしょうか。

養老:詳しいことは分からないんだけど、中国では、男の子を大事にするけど、女の子は相当下に見られているでしょう。

死の恐怖から救ってくれない「サラリーマン共同体」

日本の働き盛りの男性の自殺は、1999年から一気に増加しました。養老先生はどう見ていますか。

養老:日本の世間って結構うっとうしくて、そこに丸々付き合ったらたまったものじゃないよね。でも、丸々付き合ってしまって、にっちもさっちもいかなくなるんでしょう。そういう背景があると思いますよ。

不況をバックに、中小企業経営者の自殺が増えましたが、同時に定年前後の会社員も多いと言われています。

:サラリーマン人生って、勝ち残りの競争の中で、すごくクリティカルな、重大な分岐点がいくつもあるじゃないですか。判断ひとつで後戻りもできないし、先にも行けないというような。あれ、みんな、よく平気だなと思いますよ。

確かに。エリートになればなるほど、過酷をきわめる。

:それで定年間際には、そのストレスと、自分の体力的な転換点が重なるわけだから、おかしくなってしまうのは、よく分かるな。

この連載が本になりました。『日本人はどう死ぬべきか?』2014年12月11日発売。解剖学者と建築家の師弟コンビが、ニッポン人の大問題に切り込みます。

 戦後の日本では、かつての血縁共同体がサラリーマン社会に置き換えられたわけじゃないですか。前世紀のサラリーマン社会も、ここにきて変貌が激しいし、それとどう付き合うかなんて、人類として未体験ゾーンですよね。

第4回の、隈さんのお父さまのお話とつながりますね(前回参照)。隈さんは、本能的にその事態を避けた。

:そうですね。うちのおやじから教訓を得て、サラリーマン人生を回避した。

でも、お父さまは定年を超えて、長生きされたわけですよね。

:85歳まで生きました。息子である僕や、家族にいろいろ八つ当たりしたから、長生きしたと思うんですよね。毒を周りに吐き散らかしながら(笑)。

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「早死したくないなら「仕事に本気にならない」ことだ」の著者

清野 由美

清野 由美(きよの・ゆみ)

ジャーナリスト

1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。2017年、慶應義塾大学SDM研究科修士課程修了。英ケンブリッジ大学客員研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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