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男性上司が立ちすくむ、“女性のカラダ”とパワハラの境目

男女に関係なく更年期障害の知識を共有すべき

2014年12月9日(火)

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 今回は、ちょっとした“事件”を取り上げる。テーマは、男性を悩ませる「女性のカラダ」――。

 あれ? 文字にすると、なんだか思わせぶり。不快に感じる人もいるかもしれないし、「このテーマのどこが、上司と部下なんだ!」と、口を尖らせている人もいるにちがいない。でも、やっぱりカラダ。うん、カラダ、だ。なのでこのままいきますので、ご了承くださいませ。

「これは更年期障害の症状です」とキレる女性役員

 では、早速“事件”のあらすじから。

 「27歳の部下から、パワハラの告発がありました。問題になったのは40代の女性上司です。彼によれば、書類のミスを指摘され、『こんな簡単なこともできないなら、出ていけ!』と言われたそうです。そんなことで告発するなって気がしなくもないですけど、これって、侮辱や脅迫と解釈できる。さらに、ヒアリングで、女性上司がイライラして、彼を怒鳴りつけることが頻繁にあったこともわかり、役員会でパワハラ認定するかどうかの議題にあがったんです」

 「会議では、『まぁ、パワハラだよな』という空気になった。ところが、役員の中に1人女性がいまして、彼女の一言でそれがひっくり返ったんです。『これは、更年期障害の症状です。守られるべきは女性上司のほうです』って、ものすごい勢いで怒りだした。なんかイライラしたり、だるかったり、のぼせたりしちゃうんですか? 男にはわかりませんけど、とにかく大変なんだと、すごい勢いで言ってました」

 「それで最後に、『みなさん、私のキレ具合に驚いたでしょ? これも更年期障害ですよ!』って。す、すごいですよね。男どもは、一斉にシーン、ですよ。どうリアクションしていいかわからないじゃないですか。そしたら『アッハハ、ここは笑うところですよ! 私はもうとっくに、そういう年齢過ぎてますからね。でも、これから管理職になる女性たちは、更年期と闘うことになる。女性特有のカラダの事情も、配慮してもらわないと困ります』って」

 「いやぁ……、男っていうのは、ホントに情けない。女性のカラダのことを言われると、ホントにわからないので、立ちすくむしかない。アナタにこんなこと聞くのもホントウに失礼なのですが、更年期障害ってそんなに大変なんですか? ホントすみません。でも、会社ではこんなこと聞けません。申し訳ない。でも、ちっとも、わからないんです」

 こう申し訳なさそうに、“更年期パワハラ事件”を話してくれたのは、52歳の執行役員の男性である。確かに「女性のカラダ」なんて言われてしまうと、男性たちはどうしていいのかわからなくなるに違いない。妻あり、子どもあり(女の子)、女性部下あり、であっても、やっぱり困る。

 下手に妻に聞いてご機嫌を損ねられてもイヤだし、会社で口にした途端、「セクハラ!」になってしまうかもしれないわけで。だから、第三者の私に、「聞きたい」。そんな気持ちだったのだろう。

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「男性上司が立ちすくむ、“女性のカラダ”とパワハラの境目」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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