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日本のワイン造りに見る地方創生の一つの形

ネットワーク型のクラスター作りがカギになる

2015年2月2日(月)

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 決して詳しくはないのだが、ワインが大好きで、飲む機会が多い。ワインと日本酒は、食中酒として世界の双璧をなすのではないかと、ひそかに思っているのだが、何か食べながら、心を許した相手とおいしいピノノワールをしみじみ楽しむ時間は、何物にも代えがたい。

 このピノノワールというブドウは、なかなかの難物らしく、本場フランスのブルゴーニュ以外では、米国の一部(カリフォルニア、オレゴン)とニュージーランドを除いては、本当のトップレベルのものにお目にかかれない(正確に言えば、私自身はお目にかかる機会を得ていない、ということだが)。ドイツ、イタリア北部、南米、そして南アフリカなどでも作られていて、もちろんおいしいものもあるのだが、ブルゴーニュ特有のりんとしつつ妖艶さが垣間見られる、という具合にはいかないのだ。

 ところが、日本産のピノノワールを飲んで驚かされたことがある。星野リゾート社長の星野佳路さんに勧められて飲んだのは、八ヶ岳山麓で造られている、ワイナリー「ドメーヌ ミエ・イケノ」のピノノワール。

 厚化粧をしておらず、やや線が細いかなと思わせられるが、やわらかな酸とブドウの良さを感じさせる質感の高い果実味が見事にバランスしていて、後口が長い。タイプは違うのだが、ブルゴーニュの名醸クロデムーシュを思い起こさせるところがある。これならニュージーランド(実はピノの名産地でもある)のトップクラスと遜色なく、ブルゴーニュの並品を軽く凌駕している、と思わされた。

 造り手の池野未映さんは、フランスでワイン造りを学び、実務を経験して帰国。一人で、ブドウ作りから醸造までこなしている方だそうだ。

 現金な話だが、この一本で、俄然、日本のワインへの興味が増した次第。

人作りにも力を入れる新潟のワイナリー

 実際のところ、最近、欧州品種を自家栽培し、醸造まで一貫して手掛ける日本のワイナリーが増えてきている。『僕がワイナリーをつくった理由』(ダイヤモンド社)という面白い本を書かれた落希一郎さんが創業した「カーブドッチワイナリー」もその一つだ。

 気候条件が整った新潟県の海沿いで、自家農園で欧州品種を栽培し、醸造するだけでなく、敷地内にレストランやショップ、そして美しい庭を作り、年間18万人もの人が訪れる場所になっているらしい。海外でよく見られる造り手主導のワインツーリズムが具現化しているわけだ。

 さらに興味深いのは、「人作り」に乗り出しているところ。落さんは「ワイナリー経営塾」というものを設け、競争相手にもなりかねない新規参入希望者を育ててきたのだ。実際に、そこで学んだ人からカーブドッチの隣接地でワイナリーを営む人々も出ている。元金融マン、あるいは広告代理店出身者などの比較的若手の造り手が、自分の経営するワイナリーをすぐそばで立ち上げ、一種のクラスターを作り始めている。

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「日本のワイン造りに見る地方創生の一つの形」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCGシニア・パートナー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経て現在に至る。事業戦略、グループ経営、M&Aなどの戦略策定・実行支援、経営人材育成、組織能力向上などのプロジェクトを手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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