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「メタボの次は、セックスレス!?」 40代男の傷をえぐる世間の興味

問題をすり替えて、“ホントの問題”を置き去りにするのはやめよう

2015年2月10日(火)

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 厚生労働省が昨年5月にウェブサイトに公開した“漫画”が、ちょっとした話題になっている。

「結婚して、たくさん子ども産まないとダメらしいよ」
「婚活しなきゃ、いけないんだって」
「昔の人も苦労したんだから、若者も苦労しろってさ」
「つーか、これ作った厚労省って、ナンナン?」

 ネットでは、こういった批判が“若い世代”から相次ぎ、
「この厚生労働省のマンガ、登場人物全員が女性なんだけど我々女性に求められている社会的役割がすっごくよくわかるよっ!」というツイートは2000件以上共有された。

 今年1月に、図解入りでこのサイトの問題点を指摘するブログが立ち上がり、ツイッターで瞬く間に拡散したのだ。

年金問題の解決策がお見合いパーティー!?

 この漫画は「いっしょに検証! 公的年金」と題し、“年 金子(とし・かねこ)”なる講師役の独身女性が解説する設定で、0話から11話まである。2013年度の予算1600万円で、委託業者を入札で選定し、制作された。

 で、批判が集まったのが最終話の結末だった(「世代間格差の正体~若者って本当に損なの?」)。

 “年 金子”(←この名前もどうかと思うが)が、地方公務員の姉と大学生の妹、その母親に、少子高齢化の影響を説く。

 すると、姉が妹に「あんたが結婚してたくさん子どもを産めばいいのよ! 私も子育てしやすい街づくりがんばるから!」と言うと、その姉の手を年金子がひっぱり、
「バリバリ働いて、婚活もがんばりましょうよ!」
という場面で、漫画が終わってしまうのだ。

 しかも、肝心の「若者は損なのか?」という問いには、
 「今、年金を受け取っているお年寄りたちが若いときに、一家の大黒柱として自分の親を扶養しながら、日本を発展させてきた。そのおかげで若い世代が豊かに暮らせている」と年金子が説明し、姉妹も「確かに、そうだよね~」とすんなり納得。

 おまけに、結婚を控えている兄が登場する第8話では、
「お兄ちゃんはいいじゃない、共働き続けるんでしょ?」という妹に、「将来、日本がどうなるかわからないから、今できることは貯金くらいかなってことになってさ」と兄が答える場面も。

 ううむ。いったいこの問題点をあれこれすり替えるセンスの悪さは、どこから来るのだろうか。「年金を理解してもらおう」という趣旨は理解できる。だが、私にはこの漫画が何を訴えたいのか、ちっともわからなかった。

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「「メタボの次は、セックスレス!?」 40代男の傷をえぐる世間の興味」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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