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正月連載で新聞のキャラがわかる!

2015年4月20日(月)

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池上 彰
(いけがみ・あきら)さん

ジャーナリスト。1950年生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業後、NHK入局。社会部記者として経験を積んだ後、報道局記者主幹に。94年4月から11年間「週刊こどもニュース」のお父さん役として、様々なニュースを解説して人気に。2005年3月NHKを退局、フリージャーナリストとして、テレビ、新聞、雑誌、書籍など幅広いメディアで活躍中。2012年4月より、東京工業大学大リベラルアーツセンター教授として東工大生に「教養」を教えます。主な著書に『伝える力』(PHPビジネス新書)、『知らないと恥をかく世界の大問題』(角川SSC新書)、『そうだったのか! 現代史』(集英社)など多数。

 元日の新聞には、特ダネのほかにこんな記事が載る傾向にあります。それは、各社の問題意識を示す連載の初回です。今年、読売はビットコインを大きく扱ったので、その連載の初回は3日から始まりましたが、これです。

 『日本の役割 熟慮のとき』。

 ヘンリー・キッシンジャーによるものです。はたして、どれだけの方がキッシンジャーを知っているでしょうか。

 連載の話をする前に、キッシンジャーの話をしましょう。

 この人は、かつてのアメリカの国務長官です。ニクソン大統領の時代に正常化した米中国交の、秘密交渉の立役者です。

 戦後しばらく、日本はもちろんアメリカも、中国との間には正式な国交がありませんでした。当時、国連で中国の代表は台湾、つまり中華民国が務めていて、中華人民共和国は国連に加盟できずにいたのです。ところが、アメリカは、日本に抜け駆けて中国との国交を正常化しようと踏み切りました。

 日本は頭越し外交にびっくり仰天したのですが、その隠密の特使として中国にこっそり入っていたのが、キッシンジャーです。国務長官ですから、当然のことながら、キッシンジャーの動きには世界中の記者たちが注目しています。キッシンジャーが中国へ行くとなったら、大騒ぎになります。

 ではこのとき、キッシンジャーはどうやって中国入りしたか、ご存じですか? 

「キッシンジャー」の読売vs「パリの日本人」の朝日

 キッシンジャーは中国入りする直前、中国訪問の意向は隠して、パキスタンを訪れていました。パキスタンは中国との関係がよく、また、アメリカとも関係のいい国でした。仲のいい国同士ですから、アメリカの国務長官がパキスタンを訪れてパキスタンの大統領と会談をしても不自然ではありません。すると、キッシンジャーがお腹を壊したため、駐パキスタンのアメリカ大使公邸で静養すると発表がありました。

 インドやパキスタンに行くと、食事や水が合わずにおなかを壊すのは珍しくありませんから、その報道を聞いた人はみな納得しました。では本当にキッシンジャーは公邸で静養していたかというとそんなことはなくて、実は、こっそりと北京に飛び、そこで米中国交正常化の話を付けて、またパキスタンに戻ってきたのです。これは、あとになってから明らかになった話ですが、キッシンジャーはお腹を壊してなどおらず、休んでいるふりをして、密かに北京とパキスタンを往復していたのです。

 このとき、キッシンジャーつきの補佐官は、キッシンジャーに付き添っているフリをして大使公邸に滞在していましたが、ここで飲んだ水でお腹を壊してしまったと言われています。

 世界の表も裏も見てきたヘンリー・キッシンジャーという人物が、今年1月に読売の紙面で、日本はどんなことをすべきかを語ったということになります。見出しの脇には「戦後70年」とあります。今年は戦後70年。戦後70年を考えるというシリーズは各社が始めていて、そのなかで読売は、世界のいわゆるビッグな人たちにインタビューすることで戦後70年を考えようとしました。

 では、朝日新聞は何をやったか。

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「正月連載で新聞のキャラがわかる!」の著者

池上 彰

池上 彰(いけがみ・あきら)

ジャーナリスト

1950年生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業後、NHK入局。報道局主幹を経て、2005年3月よりフリージャーナリストとして活躍中。2012年4月から東京工業大学で東工大生に「教養」を教えている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官