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紙の新聞はやっぱりなくなる?

民主主義のインフラは誰が担うのか

2015年5月11日(月)

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 これまで、新聞各社の元日の紙面についてお話ししてきましたが、今回のテーマは、各社が悩んでいることです。

 新聞各社が悩んでいること、それは、紙の新聞がどんどんどんどんと減る中で、新たな利益を得られる構造をどうつくるかです。紙から電子版に移っていけばいいのですが、有料で電子版を提供しても、現状では、なかなかお金が得られません。

読者にとってネットの新聞は「タダ見」で十分?

池上 彰
(いけがみ・あきら)さん

ジャーナリスト。1950年生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業後、NHK入局。社会部記者として経験を積んだ後、報道局記者主幹に。94年4月から11年間「週刊こどもニュース」のお父さん役として、様々なニュースを解説して人気に。2005年3月NHKを退局、フリージャーナリストとして、テレビ、新聞、雑誌、書籍など幅広いメディアで活躍中。2012年4月より、東京工業大学大リベラルアーツセンター教授として東工大生に「教養」を教えます。主な著書に『伝える力』(PHPビジネス新書)、『知らないと恥をかく世界の大問題』(角川SSC新書)、『そうだったのか! 現代史』(集英社)など多数。

 その理由に、多くの人が、インターネットでは無料で情報が得られると思ってしまったことがあります。

 かつて新聞各社が無料自社サイトを作ったときには、こんなことを考えていました。まずは無料サイトをきっかけに本紙を読んでもらえるようにつなげよう、あるいは、将来はサイト自体も有料化しようと、安易な気持ちで、多くの記事を無料でネットに掲載しました。

 そうしたら、ネットでニュースが無料で読めるなら新聞を買わなくていいよねとみなさんが思ってしまった。その間、インターネットはどんどん普及し、一方で紙の新聞の部数は相対的にどんどん減っていった。広告収入も同様です。新聞の広告収入はインターネットに抜かれてしまいました。この状況でどうやって収益構造を確立するのか、非常に難しい問題といえます。

 新聞の電子化に関して、日本で、唯一成功しているのは日本経済新聞です。日経新聞は仕事で必要、あるいは、株取引のためには読まなくてはならないという人たちのなかには、お金を払ってでも情報が欲しいと考える人がいます。このニーズにうまく合致したことで、日経の場合は有料化した電子版にも読者がつき、利益が上がるようになってきました。

 日経以外の一般紙は、そこまでうまくいっていません。新聞は購読していないという人の中にも、インターネットでは新聞社によるニュースを無料で読んでいる人は大勢います。ネット上でタダで読めるのは新聞記事のごく一部なのですが、それで十分という人が少なくないわけです。

 それ以上の量の記事を、読者は果たしてお金を払ってでも読みたくなるだろうか? そんな疑問もあります。現時点では、どの新聞社もどうすれば紙の新聞の部数減と広告収入減に対応すればいいのか、電子版の有料化や無料会員制などをふくめ、模索中です。

 ここで、新聞とは何かを改めて考えてみましょう。

 私の答えを先に言いますと、民主主義社会のインフラ。

 それが新聞です。

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「紙の新聞はやっぱりなくなる?」の著者

池上 彰

池上 彰(いけがみ・あきら)

ジャーナリスト

1950年生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業後、NHK入局。報道局主幹を経て、2005年3月よりフリージャーナリストとして活躍中。2012年4月から東京工業大学で東工大生に「教養」を教えている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長