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「虐待許しますか? カネ払いますか?」 介護現場にうごめく感情の“不協和”

過酷な職場、低賃金、家族からのクレーム――。介護員のメンタルは限界に

2015年4月21日(火)

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 先日、東京MXテレビの朝の情報番組『モーニングCROSS(モーニングクロス)』に出演したときのこと。番組内で流された“ナマの声”がとてつもなく重たいもので、多くの方たちに知ってもらうべき、と考えたので、今回は、これらの発言をもとにアレコレ考えようと思う。

2回目の介護報酬引き下げを実施

 「日本全体が高齢化になってきちゃっているので、報酬が下がるのは仕方がないかなぁって思うところはちょっとあります」

 「株価が2万円になって賃金も上がって大企業はいいのかもしれないけど、残りの小さい事業所は苦労している部分がたくさんある」

 「事業が回っていかないと、職場の人間には給料が発生しません。でも、事業所がなくなることで一番困るのは、サービスを受けたい利用者の方たちだと思うんです」

 「介護報酬ができたときは、もうちょっといい金額が出ていたのに、徐々に下がってきていて、減る一方なのかなぁ~って」

 「介護職が虐待するっていうニュース……あってはならないことだし、絶対あっちゃいけないんだけど……分からなくない瞬間っていうのがある……かなぁって。誰にでも、実はそういう事件を起こしてしまう立場にあるんだなぁって……常に思う」

 「介護を必要とされている方の年齢が変わってきている。年代が下がってくると、お金は出してる、だからこれくらいのサービスはしてもらって当たり前って感じがあって。ご家族からも、『どうしてできないの?』というような要望が強い感じはある」

 「介護系と保育系の資格を統合していこうという話があるが、今まで持っている人はどうなるのかなぁとか、資格が取りづらくなるのかなぁとか、移行期にはドタバタするんじゃないでしょうか」

 さて、“ナマの声”の主たちは?
 はい、そうです。すべて介護の現場の方たちの声であります。

 ご存じの通り、この4月から介護報酬が2.27%引き下げられた。これは2006年の2.4%の引き下げから2回目のこと。前回の引き下げで労働力不足に拍車がかかったにもかかわらず、再び引き下げを決めたのは狂気の沙汰としか言いようがない。

 介護施設の人権費率は約6割、訪問系介護は7割と大きいため、報酬引き下げはダイレクトに労働力不足に影響を及ぼす。政府は、介護労働者の賃金を月額1万2000円引き上げるとしているが、労働者にちゃんと支払われているかを確かめる手段もなければ、毎月の賃金が上がる代わりにボーナスや手当が減らされて実年収が下がる可能性は高い。

コメント17件コメント/レビュー

全産業平均給与は高給取りも含んだ平均なので、実際の感覚としては介護福祉業の平均とそれほど変わらないのではないかと思います。介護福祉業のマネージャークラスの給与レベルが低いために全体が押し下げられているのではないでしょうか(2015/04/22)

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「「虐待許しますか? カネ払いますか?」 介護現場にうごめく感情の“不協和”」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

全産業平均給与は高給取りも含んだ平均なので、実際の感覚としては介護福祉業の平均とそれほど変わらないのではないかと思います。介護福祉業のマネージャークラスの給与レベルが低いために全体が押し下げられているのではないでしょうか(2015/04/22)

少子高齢化の高波をもろにかぶっているのが年金、医療、介護の財政。これはもう、根本的解決は治る見込みのない無駄な延命で長生きしないことではないかと思います。高齢の父の介護の折、満身創痍で先が見えた身体にもかかわらず新たに腎臓透析を強く勧めた病院に唖然としたことがあります。そこで母が元気なとき、前もって施設とは胃ろうなどの延命は望まないことを三者で確認しました。母も口から食べれなくなった時が私の寿命だと言います。もちろん私自身もいずれそうする覚悟です。(2015/04/22)

介護士をしています。全く面会に来ない家族。その逆で週に一度面会に来る家族。頻繁に面会に来る家族は自分の親に現状を理解して下さるので介護士に何も言って来ないのですが、全く面会に来ない家族は無茶難題な注文を介護士に言って来る。私達介護士もギリギリの精神状態で遣っています。いつか私も虐待してしまうのではないか?という紙一重の状態です。現場は、そんな状況下の中で遣っているのに介護報酬引き下げ。現場の給与を上げろと言ってるけど財源がないのに、どうやって給与を引き上げるんだか。儲かってる特養もあれば、儲かっていない特養もある。政治家・厚労省は書類上しかみていません。明日、私も虐待してしまうのではないかと怖いです。(2015/04/22)

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