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米国株の憂鬱

エネルギー依存相場の脆さ

  • 勝藤 史郎

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2006年5月12日(金)

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 米国は依然として、企業業績が好調で、株価指数も数年来の高値更新を続けている。2006年第1四半期の企業の実質設備投資は前期比14.3%のプラス。2004年以来の2ケタ増となった。しかし、総体的には好調に見える米国企業の中に、リスクが潜んでいることを見逃してはならない。現在の好業績と株高は、エネルギーや原材料の価格高騰に支えられた側面が大きい。この構造はいずれピークアウトすると見たい。

 S&P500指数の騰落率をセクター別に見てみると、4月末時点のS&P500指数は、年初と比べて5.0%上昇した。これを上回るセクターはエネルギー(+14.2%)、素材(+10.6%)、電気通信(+10.1%)、資本財(+8.6%)、金融(+6.8%)。逆に、これを下回るセクターはヘルスケア(-2.4%)、公益(-0.7%)、生活必需品(+1.6%)、情報技術(+2.8%)、一般消費財(+4.0%)である。

 上昇度の高いセクターには、エネルギーや原材料高が追い風になったところが多い。経済成長に建築ブームやハリケーンの復興需要などが加わって工業部門の設備稼働率が上昇、その結果、新たな設備投資のための資本財セクターが売り上げを伸ばすという構図が見える。いずれにせよ、かなりエネルギー・原料高に依存した株高であることが分かる。

不安定要素の多いエネルギーと原材料価格

 ところが、現在のエネルギー及び原材料価格には不確定要素が多い。中国などのエマージング市場の需要は大きく増えると見られているが、大きくぶれる可能性がある。投機的資金の流入もボラティリティをもたらすだろう。

 特に現在のように史上最高値を更新し続ける状況ではエネルギー価格はテクニカルな要因で5~10ドルの変動リスクがある。原油価格が史上最高値をつけるということは、過去の実績がないわけで、次のチャートポイントを見いだしにくい。その結果、70ドル、75ドルといった切りのよい5ドル刻みの心理的ポイントが価格のめどになっている。

 エネルギーセクターは2005年には前年比44.0%増の営業利益を計上したが、2006年の見通しは11.3%増。素材セクターは2005年が18.5%増だったのに対し、2006年は14.1%増。いずれも依然として増益基調に変わりはないものの、その勢いは減速気味である。S&P500全体でも2005年の13.0%増に対し2006年は11.2%増と、減速の見通しだ(米S&P調べ、4月25日現在)

旗色の悪い消費セクター

 本来、米国経済の牽引役は、情報技術と消費関連セクターである。ところがこの両セクターのパフォーマンスが全体平均を下回っているのが、現在の米国経済の脆さを反映している。2005年の企業収益を見ると、自動車を中心に不振だった一般消費財セクターの減益(前年比3.5%減)を補って余りある収益を、エネルギーセクターが計上している(前年比44.0%増)。その結果、企業業績全体が保たれている構造である。

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