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米国のインフレ懸念は根強い

  • 勝藤 史郎

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2006年6月2日(金)

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 米国ではインフレ懸念に関する議論が沸騰中である。一部にはインフレは自然にピークアウトするとの指摘もあるが、私は米国のインフレ懸念は引き続き根強いと見ている。

 米国では、食料品とエネルギーを除くコアインフレ指数が3月、4月と続けて大きく上昇した。FRB(米連邦準備理事会)が重視していると言われるコアPCEデフレーター(食料品とエネルギーを除いた個人消費支出の物価指数)は、4月にFRBの許容レンジの上限を超えてきている。一般的に物価は景気の遅行指標であって、景気拡大の最終段階に表れる物価上昇は景気減速への転換に伴い自然に抑制されるとも言われる。しかし、私はそうは見ていない。将来のインフレに対する市場の期待が高いからだ。

比較的抑制されてきた米国コアインフレ

 世界を見渡せば、原油・原材料価格の上昇を背景に、インフレ期待は高まっている。昨年12月に欧州中央銀行が2年半据え置いた政策金利を引き上げた。日本銀行は今年の3月、デフレ脱却間近との判断から、5年に及んだ量的緩和政策の解除に踏み切った。市場では以前からの原油価格上昇に加え非鉄金属の価格高騰が続いている。

 一方、米国については、ここ1年余り、コアインフレ率(食料品とエネルギーを除く物価上昇率)は比較的抑制されてきた。コアPCEデフレーターは、2004年11月の前年比2.3%増をピークに下降を続け、2005年2月には前年比1.8%増にまで低下していた。

 この間、ハリケーン被害に伴う原油価格の上昇などがあったにもかかわらず、FRBによる継続的利上げの効果や、消費財に関する販売価格決定力の低下により、消費者物価への転嫁が進んでいなかった。同時期に、FRBの利上げが5%に近づくにつれ、「利上げの終了が近い」ことが市場のみならず、FOMC(米連邦公開市場委員会)の委員の間でもほぼコンセンサスとなった。

ここ2カ月、コアインフレ高が進む

 ところが、3月になり様相に変化が表れた。消費者物価指数(CPI)コアが3月、4月と立て続けに前月比0.3%増の高い上昇を見せた。個人消費支出価格指数コアは3月に前月比0.3%増、4月に同0.2%上昇し、前年比ではFRBのコアインフレ許容範囲とされる2.0%増を超える2.1%増に達したのである。

 統計上の数字のみならず、航空機運賃の値上げ、金利上昇に伴う持ち家から賃貸への転換による家賃上昇などの状況証拠もあり、米紙には消費者物価指数構成の詳細な解説が掲載されるなど、物価議論が一気に高まっている。

 今回の局面で留意すべきなのは、足元の物価上昇のみならず、市場における将来の物価上昇懸念(=インフレ期待)がここに来て急速に高まっていることである。将来のインフレ期待に関する経済指標はいくつかあり、それが相乗効果をもたらしながら、将来のインフレ期待を形成している。

 下の図は、主として短中期的な市場のインフレ期待を表す経済指標を用いたインデックスを作成し、コア消費者物価指数上昇率の推移に重ねてみたものである。インフレ期待関連指標としては次の4つを用いた。

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