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米国株の下落、悲観的になる必要はない

  • 勝藤 史郎

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2006年6月16日(金)

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 このところの米国株の大幅下落が、さらなる暴落につながるとは考えにくい。過度に悲観的になる必要はないだろう。今回のコラムでは、今後の米国株の動向を様々な角度から検証してみたい。

 まずは米国株価の構造から見てみよう。5月12日のこのコラムで「米国株の憂鬱」と題して、エネルギー及び原材料セクターに依存する株高はピークアウト(頂点を打つ)の可能性を示した。今回の米国株の大幅下落は、きっかけこそ筆者の予想と異なったものの、内容は米国株上昇構造の不安定要素が調整された形になっている。

 S&P500指数が直近ピークを付けた5月5日から6月13日までのセクターごとの騰落率を見ると、指数比で最もアンダーパフォーム(下落)したのが素材、ついでエネルギー、資本財、IT(情報技術)の順となった。一方、指数比でアウトパフォーム(上昇)したのは上昇率が大きい順に公益事業、電気通信、ヘルスケア、生活必需品、金融、一般消費財である。

 ただし、この間に株価が上昇したのは公益事業セクターのみである。原油・商品価格は、株価とほぼ同時にピークアウトしたことで、エネルギー及び原材料セクターが影響を受け、利上げ観測と景気減速感の台頭から消費、IT関連が下げた。株式市場全体の下落に比べ、一般的に下落度合いが少ないヘルスケア、生活必需品など不況に強い、いわゆるディフェンシブセクターも、公益事業を除いて上昇には至らなかった。これまでの米国の株価上昇構造と極めて整合的な調整結果となっている。

株と国債、利回りにITバブル期ほどの差はない

 PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)に代表される株価の相対的価値を表すバリュエーション指標を見ても、今回の株価下落は、若干の買われすぎに対する調整と言えそうだ。企業の好業績を背景に上昇を続けた株価が、FRB(米連邦準備理事会)の利上げ打ち止め期待を最後の契機にやや買われすぎた分が調整されたと言える。

 ニューヨークダウと米国債利回りを比較してみると、ニューヨークダウが直近、高値を付けた5月10日時点で、株式益回り(E/P= 1株当たり利益÷株価=PERの逆数)は4.57%(PER=21.87倍)だった。これに対して、米国債10年物利回りが5.125%だったから、国債比でみると、株はやや割高なレベルにあったと言える。

 一方で、ニューヨークダウが史上最高値を付けた2000年1月14日時点のE/Pは3.66%(PER=27.31倍)で、米国債10年物利回りは6.679%だった。今回の下落前の米国株価は、ITバブル時代のそれに比べればオーバーバリュエーションの度合いは極めて小さい。

 またその調整も国債利回りとの対比では、ほぼ終了したと言える。この点、新興国株式市場、例えばブラジルBOVESPA指数は、同国の長期金利約15%に対し、5月9日の最高値時のE/Pが8.18%(PER=12.22倍)まで買われており、既に下落開始前にバブル相場になっていた可能性が高い。

 なお、現在の米国債10年物利回り(約5%)に整合する株価レベルは、PER=20倍レベルであり、ニューヨークダウ指数にすると1万700ドル前後にほぼ相当する(以上、各数値は6月13日現在にブルームバーグより筆者試算)。13日の終値が1万706ドルだったから、ほぼ現在の株価と一致する。

少ないファンダメンタルズの不安要素

 次に経済ファンダメンタルズはどうか。今回の株式大幅下落のトリガーを引いたのは、5月10日のFOMC(米連邦公開市場委員会)の声明、6月5日のバーナンキFRB議長の講演に基づく金利上昇懸念だった。しかしこの間、経済ファンダメンタルズに大きな変化はなかった。

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