いよいよ大詰め、なのか−−。2001年3月以来、約5年半続いたゼロ金利政策が、今週にも、でなくとも月内には解除される、との見方が急速に強くなってきた。
まずは0.25%で年内に2回、来春までに3回とも言われる利上げは、債券市場では初回分までは確実に織り込んでいるが、実体経済への影響はこれからが本番。今回から数回、利上げの波が届く先々の新たな風景を考えてみよう。
消費者金融への影響は甚大
というわけで第1回は利用者2000万人、我が同胞の6人に1人がお世話になっているという消費者金融の金利引き下げ問題から。
「利上げ」に「利下げ」。方向も内容も全く異なるが、実は相当に関係は深く、我々の生活への影響も大きい、としたらどうだろう。
まず「利下げ」、つまり消費者金融の金利引き下げについて言えば、今月5日、自民党の金融調査会と「貸金業制度等に関する小委員会」が、いわゆるグレーゾーン金利廃止の考え方をまとめたことで一気に動き出している。
貸金業に適用される融資金利規制は本来、利息制限法が規定する15〜20%(融資金額によって異なる)。ところが、これとは別に上限金利を規制する出資法という法律があり、こちらの上限金利は29.2%。
グレーゾーン金利とは、両者の中間の金利のことだが、貸し金の金利規制が2つあって、一方が制限する金利を他方が認めるというこの不思議は、即座には了解しにくいだろう。
分かりやすく言うなら、利息制限法の15〜20%が基本だが、「貸し手と借り手が法定書面を交わし」「弁済が借り手の任意である」などの条件を満たせば、みなし弁済としてグレーゾーン金利も有効になるというわけだ。
子細に眺めれば気づく通り、利息制限法の15〜20%は、事実上、銀行の上限金利であり、出資法の29.2%が消費者金融の上限となってきた。前者にはさしたる罰則はなく、後者にだけ刑事罰と貸金業の登録取り消しという厳しい罰則が待ち受けているのもそのせいか。
自民党シナリオから外れ、想像以上の混乱が
また言えば、両法が現在の形になった1954年から半世紀に及ぶ歴史は、80年代の「サラ金地獄」、90年代末の商工ローン問題など社会を揺るがす事件のたびに出資法の上限金利を引き下げる道程でもあった。
その意味で、今回自民党金融調査会などが固めた考え方は、しぶとく残ってきたグレーゾーン金利にとどめを刺すものになる。貸金業規制法の改正の形を取るが、出資法の上限金利を20%に下げ、利息制限法との差をほとんどなくしてしまうからだ。
見たところここまでは良さそう、ではある。自己破産が年間19万件(2005年)に達し、破産予備軍の多重債務者は150万〜200万人に上ると言われる現状が、支払い金利の低下で多少なりとも緩和されそうに見えるからだ。
だが、それは本当にそうなのか。
ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。




からのご案内




