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米国のガソリン高は今後も続く

下期の消費下振れリスクに

  • 矢野 和彦

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2006年7月17日(月)

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 日本ではガソリン価格が年初来高値を2週連続で更新するなど値上げの動きが顕著になっている。同様に、夏場のドライブシーズン入りした米国でも、5月から6月にかけて やや落ち着きを見せていたガソリン価格がこのところ再び上昇に転じており、今年後半の消費への影響が懸念される。

カトリーナ襲来後に次ぐ、2番目の高さ

 米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)が7月10日に公表した週間調査によると、レギュラーガソリンの米国内平均小売価格は、直近の週で1ガロン(約3.8リットル)当たり2.97ドルと、前週から3.9セント上昇した。この価格は、2005年9月のハリケーン「カトリーナ」襲来後につけた同3.07 ドル以来、過去2番目の高さである(図1)。

 EIAは今年4月から9月にかけてのレギュラーガソリン平均価格をこれまで2.76ドルと予測していたが、足元の実勢価格が予想を大きく上回る状況が続いていることを受けて2.88ドルへと上方修正した。

 ガソリン高の背景には、言うまでもなく原油価格の上昇がある。米国のガソリン小売価格のうち48%が原油価格によって占められているだけに、原油価格の上昇はダイレクトにガソリン価格に響く。その原油価格は4月下旬に1バレル当たり75.35ドル(WTI最期近物)の史上最高値を更新した後、いったん調整が見られたものの、イランの核開発問題を巡る不透明感や北朝鮮問題など地政学的リスクへの不安が拭えない中で、6月下旬以降は再びジリジリと水準を切り上げる展開が続いている。

 もっとも、ガソリンに関しては原油高の影響もさることながら、同時に精製能力不足に伴う需給逼迫懸念の強まりという、半ば構造的とも言える価格押し上げ要因も存在している。

 米国では1970年代半ば以降、原油精製を行う新規の製油所建設が行われておらず、その結果ガソリン需要の拡大ペースにガソリン供給能力の拡大ペースが全く追いついていない。ガソリン需要の長期持続的な高まりを受けて米国内の原油消費量は80年代半ばの日量約1600万バレルから現在では約2100万バレルにまで増加した。

 しかしながらこの間に国内の原油精製能力は、約1500万バレルから1700万バレルへとわずかに高まったに過ぎない。このため80年代には平均して約78%だった米国内製油所の稼働率は、現在では93%程度にまで高まり、ほぼフル稼働が続く。また80年代初頭にガソリン消費量の約40日分をカバーしていたガソリン在庫率は約23日分にまで低下している。

精製能力不足を解消する立法措置の実現性は乏しい

 精製能力不足という、いわば構造的なボトルネックに対して、議会では政策面からの対応としての立法措置を試みる動きも見られるが、実現性は乏しく、そもそも即効性については何ら期待できない状況だ。

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