• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ゼロ金利解除は「冷えもの」か

リース、証券、不動産に重大影響!?

2006年7月19日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 江戸の頃の好きな言葉に、「冷えものでござい。御免なさい」というのがある。

 所は江戸庶民の生活の場であり、社交の場であり、娯楽の場でもあった銭湯。先に湯船に浸かっている江戸っ子たちの間に割って入る新参者が、皆が楽しんでいる湯を冷やす“詫び言”にこれを言ったのだという。

 塩梅のいい湯に冷や水のように飛び込んでくる新参者は、先客の迷惑なのだろうが、後から見れば、湯が熱くなり過ぎるのをほどほどに抑えたりしてなかなか良い。

「冷えもの」と感じるのは誰なのか

 無論、それも湯が熱くなり過ぎの頃合いならのことで、ぬるめの時なら迷惑至極。はたまた、湯加減はよくても熱め好きには迷惑で、ぬるめ好きには大歓迎ともなる。

 いささか牽強付会の気味を許して頂ければ、日銀のゼロ金利解除にもどこか「冷えもの」の感はないか。

 景気の程合いを湯加減として、それが「熱くなり過ぎ」と見るかどうかは難しいところだが、湯船の中の誰に迷惑なのかは、外から見るのとは随分違うようだ。

 まずはお定まり、企業と家計、それに政府の影響度合いから。それぞれの銀行からの借り入れ(銀行の各々に対する貸し出し)がどの程度の負担になっているかを見るために、名目GDP(国内総生産)に比較すると、2000年8月の前回のゼロ金利解除時点では、銀行など金融を除く事業法人(企業)が85.6%、家計が70.5%、政府部門は25.1%だった。

 GDPと比べるのは三面等価の法則で所得と同じだから。まあ、所得の中で借り入れがどれだけあるかというわけだが、これが今年6月末では、事業法人は実に24.1%ポイントも減らして61.5%に、家計も6.5%ポイント減の64%になった。

家計も企業にも影響は大きくないようだが…

 企業について言うなら知られる通りで、ここ数年、借金を減らしに減らした結果、少々の金利上昇は既に関係なし、というわけか。唯一、政府部門だけが3%ポイント増えて予想通りの負担増といったところなのである。

 ただ他方で、金利の上昇は預金金利の増加という恩恵にもつながるから、本来の影響はこれを加味したものになる。第一生命経済研究所のエコノミスト、熊野英生氏の試算によると、例えば家計では、普通預金金利が0.1%、定期預金金利が0.08%上がったとして、年間5600億円の受取利息増(郵便貯金含む)になるという。

 当然、企業部門の恩恵もある。こちらは大和総研のエコノミスト、牧野潤一氏の試算だが、0.25%の金利上昇はプラスも加味した全産業ベースで今期経常利益を前期比0.9%押し下げるにとどまるというから大きくはない。

 と見れば、誰にも不満はなく、「ゼロ金利解除問題なし」かのようだが、実はそうでもない。やはり、湯船の中で顔をしかめる人はいた。

コメント0

「田村賢司の順張り逆張り」のバックナンバー

一覧

「ゼロ金利解除は「冷えもの」か」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

現在の携帯電話は、昔の電話と比べて100倍豊かでしょう。クルマもきっとそうなります。

ジェンスン・フアン エヌビディア創設者兼CEO(最高経営責任者)