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利上げ休止に踏み切った
カナダ中銀の「切なる期待」

  • 矢野 和彦

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2006年7月28日(金)

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 日本のゼロ金利解除、そしてECB(欧州中央銀行)、FRB(米連邦準備理事会)による利上げ継続と、主要先進国・地域の多くで金融の引き締め、ないしは緩和の解除が進んでいる。そうした中で、最近いち早く利上げ休止に踏み切った国がある。米国の隣国、カナダだ。

 BOC(カナダ中央銀行)は、今年7月11日に行った金融政策決定会合で、2005年9月以降7回連続で引き上げてきた政策金利を現行の4.25%に据え置くことを決定した。会合後に公表された声明文では、「現在の政策金利は中期的にインフレ目標を達成するという目的に整合した水準にある」との判断が示された。

 現在、カナダ経済は内需主導の腰の強い拡大を続けている(図1)。設備稼働率は84%程度の高水準に張り付き、失業率は足元で6.1%と、1974年12月(6.0%)以来32年ぶりの低水準にある。

 設備・労働資源のフル稼働が続く中で、GDP(国内総生産)ギャップは経済が需要超過の状態にあることを示しており、BOCも「カナダ経済は潜在能力をやや上回る水準にある」と認めている。このため資源利用のタイト化による潜在的なインフレ圧力の高まりを警戒する必要性もあり、この点では現在の米国と同様の状況だ。

景気拡大テンポが減速すると見通し決断

 にもかかわらずBOCが利上げ休止に踏み切ったのは、今後、米国経済減速やこれまでのカナダドル高、利上げの影響等で、徐々に景気拡大のテンポが減速すると見通しているからである。さらに、利上げ休止に踏み切れずにいる米国と決定的に異なるのは、インフレ圧力が顕在化せず、足元でもコアインフレ率が安定した動きを続けていることだ。

 カナダのコア消費者物価上昇率は直近6月時点で前年比1.7%とBOCが目標とする2%をなお下回っており、エネルギー価格等を含む総合ベースでも2.4%とBOCの目標レンジの上限である3%には達していない(図2)。

 こうしたコアインフレ安定の要因の1つと見られるのが、2003年以降続いているカナダドル高である。カナダドルの上昇は輸入価格の抑制を通じて消費者物価の安定に寄与している。

 無論、カナダドル高は輸出に依存する製造業セクターにとっては頭の痛い問題であり、BOCもその影響を引き続き懸念材料として挙げている。だが、そうした輸出企業に対するマイナス面の影響は、今のところ、エネルギー及びコモディティー価格上昇を受けた関連セクターの収益増や雇用増のプラス効果で、相殺されている。

 カナダドル高を受けた製造業セクターの不振が、エネルギーセクターや内需関連セクターの好調さにカバーされる形で、カナダ全体としてみれば企業収益も堅調に増加し、内需主導の景気拡大が続いているのである。

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