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金利上昇が地方を変える?! 地方の盟主、地銀に再編の波

2006年8月1日(火)

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 あえて踏み込むが、ゼロ金利解除=金利上昇は、実は「地方」にこそ、大きな影響を及ぼすものなのではないか--。

 地方と中央、あるいは大都市との景況に落差があって、経済格差が拡大しているなどと、知れたことを言うわけではない。想定の入り口の1つは、地方の“基幹産業”たる地方銀行に金利上昇が、相当な地殻変動を及ぼしかねないということだ。

地方王国の盟主、地銀

 首都圏や政令指定都市など大都市住民には想像しにくいかもしれないが、地銀という存在は、有力地場企業そのものであり、大手事業会社の少ない「地方の中の地方」的地域においては、組織としての県庁に並ぶ、ホワイトカラーの最有力雇用主でもある。そして、もちろん、地域金融の出入りを司る金庫という意味で地元経済の柱でもある。

 ただし、地銀64行に第二地銀47行の計111行で、92行・グループが上場する異常は、独自の地域経済圏を抱え、県・市町村の指定金融機関などとなり、地場企業とは地縁・血縁取り混ぜて密接なつながりを持って、「王国」をつくり上げてきた結果にほかなるまい。

 もちろんすべてではないが、大手銀行の進出が難しい規模の経済圏、仮に進出できても、新参者が容易に根を張れないほどに確立した強固な地盤…があればこそ、1業界で92社も上場できる異様となったのだろう。

 ゼロ金利解除は、その王国を激しく揺さぶりかねない。

貸し出しへの転嫁にこれだけの壁

 まずもっての激変はコストだろう。長引く超低金利の影響で、実は銀行の抱える預金の約50%は、銀行にとっての支払い分である利息がほとんどつかない普通預金、当座預金になっている。1990年代までの平均は約20%であり、ことに量的緩和政策が始まった2001年3月以降、急上昇している。

 対して、比率が急減したのが相対的に金利の高い定期預金。「定期でも利息がつかないのなら、出し入れ自由な普通預金でいい」という至極当たり前の理由で、1990年代の60%ほどの比率から40%程度まで落ちた。

 これが巻き戻す可能性がある。金利が上がれば、もちろん定期預金の方がよくなるし、昨年4月のペイオフ完全解禁で普通預金に移したまま、金利上昇を待っていた資金が少なからずありそうなことも思い合わせれば、定期預金への再シフトは十分あり得る。預金は貸し出しの原資だから、利息の上昇は、銀行にとって痛いコストアップでもある。

 さらに言えば、ここ数年、手数料収入の拡大で銀行を潤してきた投資信託や保険の窓口販売など個人向け金融商品の急増に合わせて、コンピューターの高度な基幹システム構築も必要になっている。このコスト増も巨額になると予想されている。

 無論、これら問題は、同時に貸出金利が引き上げられれば事もなし、となる。コストアップ分を商品価格に転嫁できれば痛みはないからだ。

 しかし、それもまた簡単ではない。長きにわたるデフレ下で大手銀、地銀とも貸し出しは減ったが、預金は減らず、預金と貸し出しの差はここ4~5年で急拡大した。

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「金利上昇が地方を変える?! 地方の盟主、地銀に再編の波」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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