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中国、貯蓄が支える高成長の行方

  • ロバート・シラー

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2006年9月5日(火)

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 中国の貯蓄率は世界の主要国で最も高い。政府貯蓄と民間貯蓄を合わせた国民総貯蓄は、GDP(国内総生産)の50%に上る。一方、米国のGDPに占める国民総貯蓄の率は主要国内で最低で、約10%である。ほとんどの国のこの貯蓄率は、米中2国の水準の間にある。

 貯蓄率の違いは重大な問題で、中国の経済成長率が米国より6%高い主因はこれに違いない。国民が収入の半分を貯蓄に回せば、その資本が投資に回り、経済を急速に推進させる可能性が高い。中国の貯蓄は好循環の一部になっている。高成長が高貯蓄につながり、それがさらなる高成長を支えている。

 米中の貯蓄率の差は、数十年の間に広がってきた。1980年代初頭には、中国の貯蓄率は米国の2倍だった。今は5倍。この差はなぜ生じたのだろう。

急激な収入増が貯蓄を高めた

 残念なことに、貯蓄率は科学的に精密な説明ができない。石油資源が豊富な国の貯蓄率が高いとか、深刻な内戦や紛争に苦しむ国の貯蓄率は低いとかいった明らかなパターンはいくつかあるが、どれも米中の貯蓄率の違いの説明にはならない。

 80年代初頭に始まった中国の高貯蓄は、医療制度や退職金制度、教育に対する不安の高まりや雇用保障が完全ではなくなったことが原因の一部だと考えられる。しかし、こうした問題は米国にも当てはまるので、米国が中国と同じように貯蓄率を高めてもいいはずだ。

 むしろ深く染み込んだ習慣の方が、中国の高貯蓄率をうまく説明できるのではないか。中国では急に収入が増えると、貯蓄に回りやすい。人々は生活水準の上昇に慣れておらず、もうしばらく今のままでいることにさほど苦痛を感じないからだ。また、高貯蓄を助長するような企業や政府の政策を、中国国民は何の批判もなく受け入れている。

 例えば、中国で貯蓄率が上昇し始めたのは、79年の一人っ子政策が施行されたのと大体同じ頃だった。この政策によって、66~76年の文化大革命後に出生率が急上昇するのが阻止された。

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